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【書籍】バレエの鑑賞入門

 渡辺真弓編集/世界文化社(ほたるの本)/2006.11/1890円(税込)

 世界文化社から新しいバレエ入門本が、しかも瀬戸秀美さんの写真で出るというのでチェック。したらいきなり

 「こんなところにシヴァコフが!」

 出世したなー。おねぃさんは嬉しい。
 えーっと、「物語とみどころがわかる*バレエの鑑賞入門」。表紙はザハロワです。裏は新国立のくるみ。作品紹介の「白鳥の湖」の写真がシヴァコフとペレンです。グランアダージョ1枚、黒鳥のGPDD1枚で、こちらは両方おそらく初出。ほかにグランアダージョの最後のポーズ(キャプションが「2幕のラスト」になってるけど)で、こちらはマールイのチラシにほぼ毎回載ってる見慣れた写真(一応これもシヴァですね)。それからコールド1枚。大盤振る舞いだわっ。瀬戸さんありがとー♪ グランアダージョの方は同じ写真が目次にも使われています。妙に初々しい横顔だわー。いやー、出世、出世。

 今回は何気にマールイ含有率もあがっていて、ジゼルはルジマトフとザハロワが出た時のもの。ペザントでミリツェワと……ヴェギニー?(正直これならハンスかミルタにして欲しかったなぁ)。口絵にはクチュルクとファジェーエフのドンキも。あとは「リーズ」が牧で(伊藤さんとドゥガラー)、「くるみ」が新国立(真忠さん)、ドンキがABT(カレーニョとマーフィー)。マノンがバッセルでオネーギンがルグリ。個人的には、ロミオがフォーゲルじゃないのが、ぶううう。
 まあ、あんまり並べてもこれから見る人がつまらないだろうと思うので、こんなところで。

 シヴァのせいで即買いしちゃいましたけど、本としてはたいしてよくはないです。全体に写真が新しく、カラー満載なので、写真を見るにはいいかな、というところ。ぴあのムックが小さくなったようなつくりかな。主力は「バレエ名作30」で、物語と見どころと写真だけれど、全幕ものが主体で小品が11作。ガラの予習などに使うには、やはり新書館の「バレエ101物語」にかなうものは今のところないでしょう(こっちは写真が少ないのが淋しいけどね)。大体ベジャールが「ボレロ」しかないってどうよ。しかもそのボレロの写真がこれってどうよ(ドンの写真にしても、もっといい写真いっぱいあるのにー)。まあ30と101じゃ大違いだからしょうがないけど。初心者本としては、こんなものなのかなー。ぴあのムックや「SWAN」に比べれば、下品な文章がないだけいいのかも。

 「世界で活躍するダンサー」に都さんと森下さんと熊さんが出ていて、「日本のダンサー紹介」はなし。それから「海外バレエ団と劇場の紹介」があって、「日本のバレエ団」は見開き2ページで一括。東バの「退団した首藤康之のゲスト出演も多い」って、多くはねぇだろう(笑)。それにしてもベジャール・ローザンヌも「その他のバレエ団」にちょろっと書いてあるだけだもんなぁ。ぶううう。

 というわけで、まずは店頭で写真チェックをして、気に入った写真があったら買う、というところですかね。本文を全部きちんと読んだわけではないですが。マナーのところで、「音楽が始まったら雑談しない」「夢中になりすぎて前のめりにならない」というのが入ったのは評価、だな。とりあえずシヴァファンはGo!

(「綾瀬川的生活」2006年11月11日)
*日記ページからの抜粋です

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【書籍】子午線の祀り・沖縄−他一篇

木下順二著/岩波文庫(木下順二戯曲選)/1999.1/630円(税込)

 壇ノ浦というのは、一応自分の地元意識のうちなのだな。ウチは(正確には元祖母の家、だが)瀬戸内沿いとはいえ、宇部よりも広島よりだからたいして近くはないのだけど、「40過ぎて免許取ったら暴走族になりました」の父が、帰省のたびに「行くぞー」と言って中国道をぶっちぎり、関門トンネルを通って関門橋をとって返す、というのが慣習に(涙)。初めて関門トンネルを通ったときは小学校の低学年だったから、「海底トンネル」にすごく期待してたんだな(笑)。「海中」じゃなくて「海底」だよ、ただのトンネルだって、と今ならツッコメるのだが(涙)。「ハトヤの海中温泉」のようなわけにはいかないのだ。

 だから「赤間神宮」もたびたび行った。小さい頃は怖かったっすねー。「耳なし芳一」の像。最後に行ったのは多分15年かそこら前ですが(ははは、うっかりすると20年前か?)、その時一番怖かったのは「二位尼のテレホンサービス」。当時、流行ってたんだよね、パンダの声が聞こえるテレホンサービスとか。設置してある電話にお金を入れると「コンピュータ合成による二位尼の声」が聞けるというシロモノ。怖いから誰も試してみなかったけど、「波の底にも〜〜、都のさぶろうぞおおお〜」とか出てきたらコワイぞ、かなり。
 
 そんなわけで、というわけではないが「子午線の祀り」。知盛が主役の戯曲でなぜタイトルが「子午線」なのかというのがずっと知りたかったのだけど、納得。やっぱりうまいよ、木下順二。知盛はともかく、義経主従はやはり、大河ドラマの面々で思い浮かべてしまうが。知盛は元のイメージがやっぱり山岸凉子だから(「海底より…」←コワイぞ、これも)。

 脱線、脱線。「子午線」とは「天の北極」と「天の南極」をつないで地球をぐるっと回る、地理的にいうと「経線」。壇ノ浦の合戦の勝敗を決めた「潮の流れ」をこの子午線上の月の動きに合わせて淡々と語っていくのが素晴らしい効果を生んでいる。場面の緊迫感もそうだけれど、いわゆる「無常観」を表現するのに、これほど的確で美しい言葉があっただろうか。さらにこの足元からの浮遊感。私の足の捉える地表、盛り上がる海面。子午線とは経線のことだから、それは数限りなくある。北極と南極を繋ぐ線、全てが「子午線」。本作は潮を支配する月の存在を際だたせるためのものだから、その高さは月までの距離だが、思う高さ、思う距離で子午線を引くことができる。無数の子午線によって、任意の幅で地球を包む。それはまるで地球を内包する繭のようだ。その繭を思うとき、足元がふっと浮き上がり、自分がその繭を「外から見られる」場所へと飛ぶことができる。
 
 やはり見たい。思いっきり見たい。

 同時収録の群読劇「龍が見える時」は割と知られた説話を題材にした実験作(いわゆる「シュプレヒコール」ってヤツ?)。「沖縄」は復帰前にこれだけのものを発表したのはやっぱり凄い、と思わせるに足るもの。沖縄守備隊の生き残りである山野の造形が凄い。沖縄=土着=女という構図は相変わらずだが、発表時代(1960年)からすればやむを得ないかな。「子午線」の上演記録も興味深い。
 
 見るべきは見つ、か(しみじみ)。
  
(「綾瀬川的生活」2005年9月14日)
*日記ページからの抜粋です

子午線の祀り・沖縄―他一篇 (岩波文庫―木下順二戯曲選)Book子午線の祀り・沖縄―他一篇 (岩波文庫―木下順二戯曲選)


著者:木下 順二

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