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【舞台】狂言仮名手本忠臣蔵

2007.2.25 二月歌舞伎通し狂言仮名手本忠臣蔵 昼の部 歌舞伎座

高師直*富十郎/桃井若狭之助*吉右衛門/足利直義*信二郎/鷺坂伴内*錦吾/顔世御前*魁春/塩冶判官*菊五郎
石堂右馬之丞*梅玉/大星力弥*梅枝/大鷲文吾*秀調/小汐田又之丞*高麗蔵/竹森喜多八*松江/木村岡右衛門*男女蔵/倉橋伝助*猿弥/佐藤与茂七*宗之助/勝田新左衛門*桂三/小野寺十内*門之助/斧九大夫*芦燕/原郷右衛門*東蔵/薬師寺次郎左衛門*左団次/大星由良之助*幸四郎
早野勘平*梅玉/鷺坂伴内*翫雀/腰元お軽*時蔵


 東京バレエ団の「ザ・カブキ」の話を書いていたら、歌舞伎座常駐の友人からオルグを受けたので、行ってきました。歌舞伎座デビューです(笑)。初めは「夜の部で討ち入りを見よう」と言っていたのに土日の切符が取れず(←歌舞伎だとチケットじゃなくて切符、だなあ)、「昼の部で師直を見よう」ということに(笑)。席は三階、通路前のいちばん後ろ、下手寄り。思いの外よく見えたけど、花道はほとんど見えず。今度はぜひ、花道の見える三階で見たいなー。

 大序。まずは人形口上。幕前に人形(と人形遣い)が一人、その日の配役を紹介する。延々と紹介する。幕ごとに役者が変わったりするのでものすごく長い。名前を呼ばれた時の拍手で人気の度合いがわかるような気もするが、私は途中で挫折した。その間も人がひっきりなしに出たり入ったりする。客電が落ちないのもびっくり。人形が「なんかものでも食いながら見てくれ」という趣旨の発言をするので「あー、おせんにキャラメル文化だなー」などと思ったり。イヤホンガイドの解説が妙におもしろくて、ところどころ笑ってしまう。イヤホンをしていない人が見たら、すごく変だと思う。

 幕が開いて、鶴岡八幡宮。ちゃんと下手に大銀杏(笑)。上段に直義と師直(とほかの大名)。下に判官と若狭之助(と奴ほか)。おおっ、師直が老人だ(←当たり前だ)。黒子が何をやっているのかが妙に気になって、ついそっちを見てしまう(←これはバレエの時もそうなのだよ。悪癖だねー)。兜改めのために顔世が呼び出される。「辺りに散乱した兜が47」というのは数字合わせなんだな。唐櫃の中から次々と兜をとり出して、顔世に判定させる。どっちの場合も「見りゃわかるだろ」というくらい立派な兜なんだが(いや、上司より立派なものを持ちたがるヤツもいるから)。
 直義が大名を引き連れて下がり(ここがとてもきれい)、師直と顔世が取り残される。もうこの辺りから師直萌えです(笑)。なにしろこの「恋文」がすごい。すごいというかデカイ。これを見ただけで、老いらくの恋の一途さがわかりそうなものだ。それを妙に恥じらって渡そうというのがとにかく可愛い。顔世もそれを「どうしようか」と迷った揚げ句に、最善策として投げ捨てちゃうし(←これが最善策ってのも凄いよな。もう少しさりげなく落とすふりをするとか、ありそうなものだが)。若狭之助に顔世を逃がされちゃった後の、若狭之助と判官への嫌がらせがまたおかしくて。……って、二人にとっちゃいい迷惑だって。判官なんて、それまでのいきさつを知らないから、何がなんだかわかんないんだろうなぁ(笑)。
 三段目。進物の場。おお、あの脚が出ているのが伴内か。師直はかごの中にいるという設定なので出てこない(淋しい)。「えへん、ばっさり」は見たことがあるような気がする。「芸術劇場」か何かで見たんだろうな。
 松の間。まずは若狭之助VS師直。師直のおたおたぶりに大笑い〜。影からそっと見つめる明子姉ちゃんな加古川本蔵がいじらしい。時代劇の「忠臣蔵」に慣れていると、やっぱり若狭之助の方が「内匠頭」っぽいなぁ。歌舞伎の判官は落ち着いてるわ。若狭之助が退場、場は師直VS判官に。顔世から文箱が届く(←こういうのが「いらんことしぃ」なんだが)。恋文の返事だと思って、わらわらしちゃう師直がかわいいぞ(←結局「師直萌え」なんだよなー。ベジャール、ここはイキにしてくれればよかったのにな)。が、文を検討している間に(そんなに時間をかけて検討するものでも……)「お断り」だと気づいてむっとなる。で、どんどん不機嫌になってくる。あれこれ言っている間にどんどん不機嫌がエスカレートしてくる。判官はイマイチ空気が読めてないのか、ちょっといらんことを言ってしまったりする。そうこうするうちに鮒侍だ(笑)。「殿中、殿中!」と師直が自分で言ったりするのも憎たらしくてよいのだが、ここで一端引いてエスカレーション。ここだったかなー(「斬れ、斬れ」だっけ?)、師直が判官の胸にべちゃああっ、となる場面で受けてしまって笑いが止まらない(←師直といっしょにテンションがあがってしまったらしい)。ああ、何でベジャールはここをイキにしてくれなかったんだ。ぶち切れた判官が師直に斬りつけ、加古川が「殿中でござる」をやって、大名たち(?)が、判官の周りにスカートのようになって押しとどめる(←これもベジャールが引用。「おお、これか!」と笑ってしまったので、隣の友人が不審に思っていたらしい)。
 この後、二時間休憩ナシというので、走ってトイレへ。
 四段目。判官切腹の場。斧九太夫と原郷右衛門が板付き。白の石堂と赤の薬師寺の入場。奥から黒の着流しの判官が現われ、薬師寺に咎められると、着流しを脱いで白装束となり、畳を引いて切腹の場を用意する(ここも「おお、これか!」だったな)。力弥が三方を持って現われ、「由良之助はまだか」をやる。力弥の梅枝が無性に色っぽい。うなじだな、うなじの線。なのに後ろから見ると、鬘の下の部分がヘルメットのような光り方をしている。ううむー。黒へルなら仕方ないか。いや、そうじゃなくて。判官が刃を腹に突き立てた後に、由良之助到着(←なんとなく間に合わないような気がしていた。それは時代劇の方だな)。判官、由良之助に腹切刀を形見に事切れる。この後が結構長い。
 ようやく石堂が帰り、薬師寺が奥の間に引っ込んで、葬式開始。「焼香の場」と言われるだけあって、長いぞ。まず駕籠が出て、中に判官の死体を押し込んで、焼香台がセットされて(←こういうのは力弥の役目)、髪を下ろした顔世と腰元数人がやってきて、焼香開始。由良之助は「家臣代表」で焼香。妙にリアリズムの場だ。しかし由良之助、意外と冷静だな。顔世から由良之助へのことづてが、顔世→腰元→力弥、の順で伝えられていくのを眺めてしまって(←力弥萌えの影響か)、真ん中の芝居は目がお留守。元服前の少年というのは、こういう「奥」と外の橋渡しというか、男女のちょうど真ん中に位置づけられているのだな、というのがよくわかる場面でもある。まあ「殿の身の回りを世話する」立場なんだろうけどな。
 ようやく葬式が終って、今後の談判。若手の侍がずらーと並んでセリフ割りだが、誰が誰かはよくわからない。やりとりの後、九太夫が退場。退場しながらあれだけぶつくさ言っているのに、それに付いていこうとする侍の面々が間抜けな感じ。この後で、ふすまの開けたてのために走り回る原郷右衛門が無性に可愛い。とてとてとてとてとてとて…………。
 屋敷前。力弥を先頭に、寺から帰ってきた侍たちが屋敷に突入しようとするのを、由良之助と若侍たちが止める。由良之助に「まったくお前まで」といさめられてちょっとしゅんとしつつ、「でもでも」になる力弥にちょっと萌え。この辺が力弥の立ち位置の複雑さだよね。家老の息子で、殿の御側仕え(のようにしか見えない)で、元服前の未分化の少年。血気にはやる若侍がいれば、先頭に立たざるを得ないよねぇ。血筋からも、お勤めからも、これから元服して「男」になろうって立場からも。父にも刃向かって見せなきゃなんないし。と、いうあたりを、ちゃんと未分化な色気をもって演じているのがよかったですよ。で、一同を引き取らせて、腹切刀の血を舐める、という例のシーンですな。いやあ、長かった。すごいタメだな。ここまで時間をかけるものだとは思いませなんだ。
 お軽と勘平の道行き。腰元姿のお軽と黒の着流しの勘平。背景は桜と菜の花。いやー、華やかだなぁ。場面は戸塚だけど、まあ富士が見えればいいや、っていうことで。ここまで来たにもかかわらず、まだ「刃傷の場に居合わせなかった不忠」を嘆いて切腹しようとする勘平から刀を取り上げるお軽。お軽の時蔵がいいんですよ。いじらしくて、可愛くて、しかも色っぽい。この場は基本的には踊り(殺陣を含めて)を楽しめばいいんだろうと思って、深いことは考えずに堪能。お軽・勘平のふたりも素敵だったし、伴内とのやりとりも楽しかった。殺陣はまあこういうものなんだろう、という感じ。勘平が桜の枝ならかっちょいいだけど、捕手がそれってのも、華やかでいいけど緊張感が、と思っちゃうんだなぁ。こういうことは(多分)約束ごとなので、そういう見方をするもんじゃないんだろうと思うけど。で、鶏の声。えっ、今のは夜だったんすか!

 で、昼の部の終わり。

 初歌舞伎でしたが、たいへん楽しかったです。バレエで慣れてるのとまるでテンポが違うので、「へー」という感じもあったけど、これはこれで楽しい。浄瑠璃に関しても、ベジャール版で3回も聞いていたせいか(場の冒頭に大概入る)それなりに聞き取れる部分も有り。時期が近かっただけに「本歌取り」の「本歌」を見る、という体制になってしまったので、ツボどころがちょっとずれちゃったけど、まあ多めに見てやってください。でもやっぱり歌舞伎は「セリフ芝居」なんだなー、というのがいちばんの感想かな。もちろん演目や場によりけりだけど。その意味でも道行きが見られたのは嬉しかったです。続きはブログのこちらの方で。当日の記事はこちら

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コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

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