【映画】デイ・アフター・トゥモロー
デイ・アフター・トゥモロー
ローランド・エメリッヒ監督/124分/2004年度作品/21世紀フォックス映画/原題「The Day After Tomorrow」
結局、「父は強し」かよ
寒かった。「八甲田山」と「南極物語」を併せたくらい寒い。自由の女神が埋もれるほどの雪原を、極地装備の男たちが歩いていくのである。途中は凍死体ごろごろである。しかも、タロとジロ(じゃないって)は生きているのである。納涼でなくて何であろうや。
妻(セラ・ウォード)や息子のサム(ジェイク・ギレンホール)と別居中の古気象研究者ジャック(デニス・クエイド)は、ニューデリーの地球温暖化会議で急激な温暖化を指摘、このままでは海水に大量の真水が流れ込み、海流を止めて氷河期を招くと警告。しかし、ベッカー米副大統領(ケネス・ウェルシュ)は経済面から彼を非難、会議は物別れに終わる。だがロサンゼルスでは前代未聞の巨大竜巻が大量に発生、合体しながら街をなぎたおし、壊滅させる。イギリスでは空軍のヘリが飛行中に燃料凍結を起こし墜落。大雨による洪水で孤立したニューヨークをさらに高波が襲う。
ようやく大統領が避難の決断を下す。しかし北部はすでに氷河期圏に入った。屋内でひたすら暖をとり続けるより術がない。南部住民の避難が始まる中、ジャックは図書館に避難しているサムを助けにニューヨークへと向かった……。
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「インディペンデンス・デイ」のエメリッヒ監督ということで、いろんな意味で「期待」して行ったのだが、らしいような、らしくないような。「地球環境をたいせつにしよう」てなメッセージはともあれ、貫くイデオロギーは相変わらず「父は強し」の一点である。家族を愛してはいるけれどワーカホリックの父も、優しい看護婦の母も、頭が良くて素直な高校生の息子も、彼の同級生であるマドンナも、頼りになる黒人の親友も、ライバルの他校の白人少年も、道化役の黒人ホームレスも、立派な大統領も、改心する副大統領も、みいんなパターン! 予測外のことなんて何も起りゃしない!
多少の予想外は、メキシコにどんどん流れ込んでいくアメリカ難民の群、だろうか。そもそも北半球だけが氷河期に襲われるというところからして、「懲罰的」災害であるのだ。だから本来、最後の副大統領の演説は胸を打つはずなのだが、どうにもパターン過ぎてなぁ。それでも最後、政府や主人公とは無関係に生き残った人々がわらわら出てくるのには、ちょっとカンドー。政府に守られなくたって、極地慣れした主人公じゃなくたって、きっちり生きているのは痛快だ。
それにしても「十戒」の割れる海とか、「世界大戦争」の東武ワールドスクエアみたいなクレムリンとか、もう過去の話なんだなー、とつくづく。人工衛星から見た低気圧とロスを襲う竜巻は見る価値あり。「感動の嵐」には見舞われないけど、嵐には感動したぞ。特撮見るなら映画館へ! ビデオじゃダメダメ。
(「インパクション」142号 04.7)
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