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【DVD】キーロフ・イン・パリ(キーロフ・バレエ)

キーロフ・イン・パリ(キーロフ・バレエ)

収録演目*シェヘラザード、薔薇の精、ポロヴェツ人の踊り、火の鳥
振付*ミハイル・フォーキン/指揮*ミハイル・アグレスト/演奏*マリインスキー劇場管弦楽団・マリインスキー劇場合唱団
2002年10月 パリ・シャトレ座収録(ライブ)
新書館DVD

 フォーキン振付の4演目を、バレエ・リュスの旗揚げの地、パリ・シャトレ座で公演するという粋なガラのライブ収録。ということで当然のように、18禁から怪人ショーまで幅広い、キーロフ・キャラクター部門人海戦術大会になってます。フォーキンのファンの私にとっては嬉しい1枚。

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販売元:ショッピングフィード
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シェヘラザード

ゾベイダ*スヴェトラーナ・ザハロワ/金の奴隷*ファルフ・ルジマトフ
シャリアール*ウラジーミル・ポノマリョフ/シャリアールの弟*アンドレイ・S・ヤコヴレフ/宦官長*イーゴリ・ペトロフ
音楽*リムスキー=コルサコフ

 とにかく、キーロフの舞台装置は豪華だー。絢爛豪華なハーレムです。
 あらためて気付いたけど、サルタンたちが狩りに行ってしまって、宦官長に奴隷小屋の鍵をねだるのは、ゾベイダではなく女性の奴隷たちなのだ。後宮のつらく退屈な生活からの逃避、もあるにしても、その中の奴隷たちは同郷の男たちだったかもしれない。あるいは隔てられてしまったかつての恋人。そうすると、すべての奴隷が放たれた後、最後にやってきて鍵を取り上げるゾベイダもまた、ちがったように見える。彼女らの鍵とゾベイダの鍵はまったくちがうものなのだ。もちろん、あの血にまみれた宴も。
 ザハロワはやはり「若妻」。マハリナが時に支配し、時に対等な純愛を描いて見せたのとは対照的に、奴隷に身も心も奪われて目のくらんでいる若妻ですな(うーん、なんかやらしい言い方だな)。ジジイの王は眼中にないというか(それにしては、サルタンもかっこいいのが難点だが)。その分、奴隷の方はちょいとクールというか、愛が足りないのがなんですな。いや、それでもここまでザハロワに「艶気」があろうとは、と妙に感心。手足の長いこと。やっぱすごいわ、この人の身体能力は。ルジマトフも、やっぱすごい。この時点での全幕が残されたことは本当に嬉しい。ジャンプはかつてほどではないにせよ、回転は回る、回る。見得も切りまくり、ガン飛ばしまくりでキメキメ。PDDはもちろん素晴らしいが、金の奴隷を中心に据えた群舞がまた絶品、絶頂へ向かう後半は刮目して見よっ! この辺り、絶妙な計算にもヤケクソにも見えるところがフォーキンだなー♪
 しかし、このDVDは「あわてて寝台を降りるゾベイダと金の奴隷」にカメラが行っちゃってるために、サルタンがいつ帰ってきたのかわからないのが気持ち悪いんだよなぁ。気がついたら舞台の真ん中で刀振り回してる、って感じだもんなぁ。最後の金の奴隷の死は未練がましくていい。ゾベイダは覚悟の自殺というより「死を賜った」という感じ。サルタンの弟が徹頭徹尾悪役でよいわ。ラストの背を向けて並んだまま動かない戦士たちが好きだったりする。
 

薔薇の精
少女*ジャンナ・アユポワ/薔薇の精*イーゴリ・コルプ
音楽*ウェーバー

 正直なところ、コルプというのはそれほど好きなダンサーではなかったのだった。ので、これも非常に危惧しながら観たのだけど、これがいいのよ、また。いやー、おみそれしました。あの衣装が似合う人はあまりいないから、そういう意味でも感心。元々ソロはうまい人だけど、とにかく跳躍がとてもきれい。私にとっての薔薇の精は「ドライなナルシスト」が要件なので、このタイプは割と好き。アームは柔らかいけど、私好みの柔らかさじゃないな(←一応アームスの柔らかさにも好みがあるらしいことに気付いた)。
 アユポワのイメージがうすい。もともとそういう演目だけど…。素直な感じでいい乙女ではあるな。


ポロヴェツ人の踊り
イスロム・バイムラードフ/ポリーナ・ラサーディナ/エレーナ・バゼノワ
音楽*ボロディン

 再び、キャラクター群舞大宴会。全編通して、やはりキーロフとはいえ、これだけの群舞を合わせるというのは結構大変らしい、というのがわかる。女性はともかく、男性はねー。
 今回は合唱の字幕なしだけど、望郷を歌うAメロと、ハーンを讃えるBメロに分かれている。かなり戦闘的でもあるな。バレエ・リュス旗揚げの演目だけあって、インパクトはあるけど、振りそのものは「異民族てのは物珍しいなぁ」路線になっていて、かなりきわどい。所詮、シェヘラザードだってそうなのだけど、タイトルにもろ民族名を入れちゃってる分、きびしい。男性の「ひざひざ、しりしり」の振りもコフトン版の「手のひらひらひら」とたいして変わらないし…。この手のものになるとどうしてみんな「インディアンが通る」振り(このお遊戯自身も問題だけどなぁ)をやっちゃうんだろう、とか。いろいろ気になっちゃって、あまり素直に楽しめないのだが、まあすごいです。嫌いじゃなかったりします。
 これをやるために合唱団が来るってのも大変だけど、このオペラをやるためにバレエ団がついて行くってのも大変だ。そもそもオペラとバレエ、というのはそういうものだったわけだが。
 

火の鳥
火の鳥*ディアナ・ヴィシニョーワ/イワン*アンドレイ・G・ヤコヴレフ/王女*ヤナ・セレヴリャコーワ/カスチェイ*ウラジーミル・ポノマリョフ
音楽*ストラヴィンスキー

 2場ものだけど、2場が5分くらいしかない。ベジャール版を見慣れると「始まってるのに幕が上がらない」と思ってしまう(←ベジャール版だと序曲から振りが始まるから)。
 イワンが妙に服を着込んでいて重そう。半端なリアリズムだなと思うけど、当時としてはそんなものなのかな。ごつく、というより太って見える(涙)。せめて下がタイツなら…。
 火の鳥登場。イワンに捕まりPDDを踊る。とにかく、ヴィシニョーワが素晴らしい! 火の鳥のポーズとでもいうのか、片腕を頭のラインに沿わせて横を向くポーズが怖ろしく決まってる。肘から先の動きが羽根ともくちばしともつかぬ動きなのに鳥らしい。いやもう、ヴィシのための役だと思ったよ。火の鳥が羽根をイワンに与え、飛び去る。
 クローンのようにそっくりな12人の娘と王女の登場。黄金のリンゴをもいで踊る。娘たちと王女はバレエシューズ。ポアントなのは火の鳥だけなのね。王女とイワンの出会い。イワンが妙におっさんくさい。ここで二人がPDDを踊るのではなく、二人を取り囲む6人×2組の娘たちの踊りになる。全編でいちばん美しい音楽。
 金管の音とともに娘たちと王女が門の向こうへ帰っていく。門を開けてしまったイワンの前に、魔法使いカスチェイの手下の魔物たちが現れる。いやもう凄い数とバリエーション。力の入ったコスチュームはほとんど怪人ショー。カスチェイ自身もすごいけどな。録画技術が昔よりよくなって、クリアな映像なものだから、余計に怪人ショー度が増してる気がする。王女と娘たちが出てきて、イワンの命乞いをする。イワンは火の鳥の羽根を振って火の鳥を呼ぶ。羽根の振り方がちょっとまぬけ。火の鳥と怪人軍団の戦い。時々娘たちが出てきて、加勢してるんだか泣いてるんだかわからない踊りを踊る。ここのフレーズがわかりづらいけど、前の登場シーンのモチーフなのがオシャレ。ヴィシ、圧倒的な貫禄。全部をなぎ倒すだけの説得力がある。そう言えばイワンはどこに行ったんだ? 火の鳥が魔法で全てを眠らせる。そのすきにイワンにカスチェイの命の卵の入った箱を持って来させる。イワンがその卵を叩き割るとカスチェイが死んで全ての魔法が解けるのだけど、イワンが悪いのか、小道具さんの不手際なのか、イワンが持った段階で既に卵がはずれてるところがイタイ。
 2場(笑)。魔法が解けて、岩のレリーフになっていた12人の騎士が甦る…のだが。1場で岩のレリーフがなんなのか全然わからなかったので、なんのことやらわからなかったよ(涙)。12人の騎士と12人の娘が寄り添って歩き、お辞儀を繰り返す。このお辞儀はイワンと王女の出会いの場面で繰り返されたモチーフ。王と女王の衣装を着けたイワンと王女が新しい国の建国宣言を行ない、騎士たちと娘たちがそれに続く。幕。
 2場は、ベジャール版でいうと、フェニックスの登場と火の鳥の復活の場面だから、あの曲をただ歩いてお辞儀だけというのが物足りない。イワンと王女に一差し舞って欲しいもんだす。せめて火の鳥にでも。イワンと王女は「踊る」場面少ないし。しかし、これだけ人海戦術の演目で、ヴィシの独り舞台。まあそういう演目なんだけど。
('05.5)

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