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【バレエ】雑記帳 (3)  極私的シヴァコフ狂走曲04/05

 あれこれ書き散らしてきてまだ足りないのかと言われれば、はいすみません、そうなんです、としかいいようがない(自嘲)。05/06年シーズンのあれこれに入る前に、重複を承知で振り返る。昨年末、シーズンに入る前にシヴァコフについての棚卸しをした。忘れていたこともいくつかあった。彼の舞台鑑賞歴についてはダンサーのページに載せてある。まずは出会ったところから始めよう。


 25年前(!)のマールイ初鑑賞(その頃は本当に「マールイ」という名前で来日していた)は別として、マールイを見始めたのは00/01冬シーズン。この時はル・リッシュ/ピエトラガラの「白鳥の湖」で、キャスト表を見る限りシヴァコフは出ていない(コールドや立ち役で出ていた可能性はある)。ルジマトフもシヴァコフも、プログラムでお目にかかっただけ(この時のシヴァのヤンキーなカラー写真は、実はかなりお気に入り)。01年の夏ガラで、ルジマトフのパキータに一目惚れし、ドンキを踊ったシヴァコフにブックマークをつけた。このときシヴァにブックマークをつけたのは、その次に見た02年夏の「ルジマトフのすべて」で、彼が「記憶のかけら」にルダチェンコの代役(なのだろう。プログラムにはルダコの名前が出ている)で出たときに「おおっ、それはラッキーな♪」と思ったという明確な記憶に基づく(ルダコ、ごめんね)。昨年の棚卸しで、この時のダンスマガジンの記事の、彼のアリをほめつつも「でもルジマートフで見たかったかな?」という一言に当時かなり憤慨したことを思い出した。

 その後も半年に一度づつ彼を見ては、やれ更正したヤンキーだの体育会だの若気の至りだのとおちょくり続けてきた(おちょくれない相手は息が詰まる)。正直、04年くらいまでの彼は、言われるほどの技巧派ではない。跳ぶときは跳ぶし、回るときは回るし、キメるときはキメる。若さと体格と勢いで豪快に見えるが、技術的には波があった。サポート、特に回転系のサポートがヘタで、腰が引けてアゴが出る。真面目な顔をすれば不機嫌に見えるし、その時の気分がすべて顔と踊りに出る。その上、舞台マナーがすこぶる悪い。全幕の後の方で立ち役をしているときは全然集中していないし、私語(?)もしょっちゅうだし、ガラのときは前に出たがる。パートナーへの気遣いが足りない。まったくこんなヤツのどこがよかったんだ>ぢぶん、というくらい、欠点の多いダンサーだった(今、書いていてマジに思った。どういうダンサーだったんだよ……orz)。

 さて、シヴァコフの変化が見え始めたのは、04/05年の冬シーズン。1月初めのゼレンスキー/ザハロワによる「白鳥の湖」でスペインを踊った彼は、それまでの子どもっぽさが抜けて、がっしりとした大人の体に変わっていた。相変わらず立っている時の集中度は低いし、このシーズンで観たアフメット(おそらく初役)は初々しさが先に立っていたが。

 そしてエスパーダ。振り返れば、この「ドンキ」は様々な意味で私の分岐点だった。もしこの日、ペレンのキトリが普通程度にでも「成功」していたなら、私はペレン・サポーターにならなかったかもしれないし、ルジマトフに違和感を持たなかったかもしれないし、シヴァコフをここまで愛さなかったかもしれない。「かもしれない」と言ってみてももちろん意味はない。シヴァコフに限って言えば、03年に比べて格段に上手くなったし、格段に大人にもなっていた。だが、ペレンの固さと下がっていく客席の温度、盛り上げようと意気込むシヴァ、盛り上がるほどに空回りする空気……。シヴァ、なんだってお前はそこでエスパーダなんかやってるんだ? といささか筋違いなことを思う私。

 多分、この日でシヴァコフのファンは増えただろう。彼のエスパーダはそれだけ魅力的だ。私も堪能した。だが、トレードマークだった不遜な目つきや、よく言われる少年のような笑顔、エネルギッシュな踊りではなくて、その向こうにある「ミハイル・シヴァコフ」というダンサーそのものがこれほどに大切な存在になったのは、ここが始まりだったように思う。それほどにこの日の彼は切なく見えた。

 さて、05年夏。半年ぶりに観るシヴァコフはあきれるほど変貌していた。何しろアリが「奴隷」になっている(笑)。いや、普通奴隷なのだが…。去年までの「首領より偉そうな奴隷」じゃなくて、ちゃんとした奴隷(苦笑)。どうしちゃったんだシヴァ(重ね重ね、それが普通なのだけどね…)。7月のガラではまだオレ様全開のヴァリエーションだったけれど、半月のツアーを経た8月の舞台では、アダージョの切なげな表情と腕の動きの柔らかさ、なめらかさにに呆然。

 「化ける」、という言葉がある。シヴァコフはまさしくこの夏に「化けた」のだ。私にとってはほとんど「革命的」だった。それでも7、8月はまだ過渡期。コマ送りのように、日々変化していくさまを観ることができた。秋の「ルジマトフのすべて」では、「竹取物語」だったので(笑)これは比べようもないが。(06.3.14)

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