フォト

最近のトラックバック

Amazon Search

無料ブログはココログ

« 【映画】ノー・マンズ・ランド | トップページ | 【映画】スター・ウォーズ EP3 シスの復讐 »

【映画】スター・ウォーズ新たなる希望 特別編

スター・ウォーズ新たなる希望 特別編

ジョージ・ルーカス監督/1997年作品

SFXへの過渡期に拾った特殊効果のもうひとつの「効果」

 確かオリジナル版のパンフレットが家にあったはずだと探しながら、実は古本屋(しかもT書房)に出してしまっていたことを思い出した。慌てて店主に捜索願を出したもののもはや手遅れ。二十年というのはそういう歳月なのだなぁと……ちがうか。

 『スターウォーズ』日本公開(一九七八)当時、私は実に女子中学生であった。クラスはルーク派とハン・ソロ派にまっぷたつに割れた。私はオビ=ワン派で、その頃からフケセン・少数派だったわけだが、コーラの王冠の裏についていたキャラクター写真は、何本飲んでもタスケン・レイダーばかりで悲しかったものだ。その上、皆でむきになって買ったせいか、購買部のコーラ販売機は「体に悪い」という理由で撤去されてしまった。

 ともあれ、念のため簡単にストーリーを。

スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望 リミテッド・エディション [DVD]DVDスター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望 リミテッド・エディション [DVD]

販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
発売日:2006/09/13
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 銀河帝国の戦艦に捕らえられた小さな宇宙船。そこには帝国への反乱軍の中心人物レイア姫(キャリー・フィッシャー)が乗っていた。ロボットのR2−D2(ケニー・ベイカー)はオビ=ワン(アレック・ギネス)へのメッセージと帝国の要塞デス・スターの設計図を託され、C−3POと共に脱出する。たどり着いた惑星でルーク(マーク・ハミル)の家に買われた二体はオビ=ワンと合流、四人(?)はアヤシイ貨物船の船長ハン・ソロ(ハリソン・フォード)を雇ってレイアの故郷惑星アルデラーンへ向かう。ところが帝国幹部ダース・ベイダー(デビッド・ブラウズ)はデス・スター主砲でアルデラーンを破壊、ルークたちもデス・スターに捕獲されてしまう。途中オビ=ワンを失ったものの、ルークとソロはレイアを救出、反乱軍の秘密基地に設計図を届ける。報償を貰ったソロは早々に出ていくが、ルークは反乱軍の総攻撃に参加。最後にデス・スターの唯一の弱点に魚雷を投下したのは、戻ってきたソロの援護を受けたルークであった……と、ここで三部作のうちの一作目=「新たなる希望」はおしまい。オリジナルのこのストーリーの枠内で、新たに特殊効果を加え、カットされた部分を加え、という足し算でできたのが、今回の「特別版」である。

 一目で改変がわかるのは、例えば脱出したR2−D2を捜索する帝国軍や、ルークたちがソロを雇う空港のシーンだ。ここではCG合成で、クリーチャー(エイリアンはじめ生物など)をが組み込まれている。動きが妙に柔らかいというか、生臭いというか、ぐにょぐにょ感があるというか、「後から入れたな」という感じがする。話題になったのは新たに加えられたソロとジャバ(三作目=「ジュダイの復讐」に登場するソロの借金相手)との会見シーンだが、その合成技術は確かにすごいとしても、三作目とはソロとジャバのスケールが違いすぎないか? 大体、後から伏線を足すってのはナシだぜ!

 ちょっと不思議だったのは酒場のシーン。酒場に入ったとたんに、何だか妙に安心するのだ。というのも「クリーチャーの中に人が入っている!」のである。いいかげん、CGによるエイリアンも見慣れたと思っていたのだが、「中に人の入っているクリーチャー」というのがこんなに安心するものだとは思ってもみなかった。大体、人間型ロボットのC−3POはともかくとして、R2−D2にまで人が入っているってのも当時から、何かすごいな、とは思ったが。

 今回の公式プログラム(高いぞ!)の石上三登志の解説によると、第一作目の頃はまだ「特殊効果」と呼ばれていた技術が、「スター・ウォーズ」シリーズによって「SFX」という言葉が生み出されていったということだが、「特別版」はその「特殊効果」と「SFX」とが混在する不思議な映像になっている。そのことによって逆に「特殊効果」の持つ妙な存在感・安心感に気づかされる。それはCGでは表現しきれない「何か」が人の中にあるということなのだろうか。ま、若ぶってみても所詮は「特撮世代」ってことなのね。

 さらに気になるのは訳語の違い。無論字幕だからオリジナルではない。が、例えば冒頭のレイアのメッセージ、「助けて、オビ=ワン・ケノービ、あなただけが頼りです」。この超有名セリフの後半が字幕から落ちていたのはやっぱり解せない。もうひとつ、物語のキーワードである「フォース」(超能力のようだがもっと理念的なもの)には、当初「理力」という訳語が当てられていた。これはシリーズ公開中に変更され定着していったのだが、やっぱり「理力」という言葉には捨てがたい説得力があった。反乱軍のあいさつ「理力の共にあらんことを」だの、レイアがルークに軽くキスして言う「おまじない」だの、キメのセリフはそれとして、定着させておいてほしい。

 しかし、どんな「壮大なスペースオペラ」でも結局はホームドラマになっちゃうところがアメリカ映画だよなぁ。まったくカンベンしてほしかった。帝国=皇帝に対する反乱軍のリーダーがお姫様と不思議な騎士ってのも今思うと……。ねぇ。

 若い人たちが「初めてストーリーがわかったよ」などと話しながら帰っていった。グッズは見ても映画は観なかった層なのだろう。二十年経っても映画はやっぱり大画面に意味がある。

 閑話休題。ソロってヤツもハリソンが若いだけセクシーなやんちゃさがあるが、今観るとただの気障野郎に近い。が、ルークの「ご褒美をもらえると信じて疑わない子犬の眼」と比べると、「まあこれが結局ルークの敗因よね」という感じがして奥が深い(深くないって)。デス・スター破壊直前の、すっと斜めに見上げたピーター・カッシング(デス・スター総督役)の横顔は、えらくセクシーであった。これも十代の頃には気づかなかった魅力ではある。

 さて、今度こそ本当に「エピソード1」はクランク・インされるか?

(「月刊フォーラム」1997年9月号)

【補】「エピソード1」どころか「2」も公開されました(笑)。「3」も近々公開みたいですね。私は両方レンタルで観たけど、「うーー」ではあるなあ。より「アメリカ映画」らしくなったというか。20年前とのいちばんの違いは、映画の最後にHPのアドレスが出ることだったりするかもしれない。若い人たちがストーリーを知らなかったのは、ルーカスが旧作の技術に満足できず、DVD化を許可しなかったからなんだそうです。ちなみにうちのダンナは「ダース・ベイダー」を知らなかったし、世代差って結構でるよなあ。(04.7)

« 【映画】ノー・マンズ・ランド | トップページ | 【映画】スター・ウォーズ EP3 シスの復讐 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【映画】スター・ウォーズ新たなる希望 特別編:

« 【映画】ノー・マンズ・ランド | トップページ | 【映画】スター・ウォーズ EP3 シスの復讐 »