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【バレエ】マニュエル・ルグリの新しき世界 Bプロ

2011.7.18 <マニュエル・ルグリの新しき世界II>Bプロ ゆうぽうとホール

 ニコラのガラが延期になったので、急遽チケット買いたし。B席、2階上手前方です。ここでBなら結構コストパフォーマンスがいいな、というところが捕れたのですが、どうせならAの「ホワイトシャドウ」や「ラシル」を上から見た方が面白かったかなあと、貧乏性なことを考えたりして。


「ビフォア・ナイトフォール」 振付:ニル・クリスト 音楽:ボフスラフ・マルティヌー
ニーナ・ポラコワ、ミハイル・ソスノフスキー
高村順子-宮本祐宜、佐伯知香-松下裕次、吉川留衣-長瀬直義

 ダーク系のするっとした衣装が夜になる前の薄闇を思わせる。切迫感のあるエレガンスとでもいうような。松下くんのリードがよくなったなあ、とこの間の総括的に思ったりしつつ(笑)、終ってみればあまり記憶に残ってなかったり。


「ドン・キホーテ」 振付:マリウス・プティパ/ルドルフ・ヌレエフ 音楽:レオン・ミンクス
リュドミラ・コノヴァロワ、デニス・チェリェヴィチコ

 ヌレエフ版をみると、オペラ座と自分は相性が悪いんだなーと思う。というより、ヌレエフと相性が悪いんだろうけども。んでもって、ヌレエフ自体は嫌いじゃないんだけども。しかしまあ、女性の脚が強くてなんぼ、みたいな振付だ。そしてコノヴァロワの脚は本当に強い。ちょっと「誘ってる風」な感じもあって、結婚式というよりも1幕の駆け引きのような雰囲気だった。チェリェヴィチコは、技術はあるけど、今どきっぽい。まあ、ガラだからいっかー。


「モペイ」
振付:マルコ・ゲッケ 音楽:C.P.E.バッハ
木本全優
 以前、フォーゲルで見たけれど、ダンサーが変わるとテイストが変わってまた面白い。実年齢でいくとフォーゲルの方が年上のはずなのに、木本さんの方が背中に色気があるなあ(笑)。東洋人特有の(?)、ちょっと湿り気のある色気。しかし、よく身体が動くなあ。ムーブメントがきれいだ。今回のガラでのいちばんの「掘り出し物」かもー。


「椿姫」より 第2幕のパ・ド・ドゥ 振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フレデリック・ショパン ピアノ:三原淳子
マリア・アイシュヴァルト、フリーデマン・フォーゲル

 すばらしかったです。フォーゲルもアイシュヴァルトも。世間擦れしてないボンボンと年上の高級娼婦、という役回りにぴったりの二人。フォーゲルのあまやかさと、アイシュヴァルトのそこはかとない理性。目の前の幸福を疑わないアルマンと、この幸せがほんのひとときの夢であることを知っているマルグリット。そのマルグリットが、アルマンの無垢さに引きずられて少女に変貌し、そして時折我に返り、しかし、というその往還がなんともいえずに切なかったです。「午睡」の後の気だるい空気の中にたゆたうようなPDDは白昼夢のようでもあり、「白昼夢」というのは「白」いんだなあ、と、根拠もなく納得したり。


「クリアチュア」 振付:パトリック・ド・バナ 音楽:デム・トリオ(トルコの伝統音楽)、マジード・ハラジ、ダファー・ヨーゼフ
上野水香、パトリック・ド・バナ

 以前、オレリーとフォーゲルで見た時は、オレリーの方には袴のようなボトムがなかったような気がしたんだけど、ちょっと自信がない。水香ちゃんはデコラティブなクラシック・チュチュよりもこうしたシンプルな衣装の方が似合うし、ちょっと激しくて無機質な踊りに彼女のいいところがぐっと出る。バナとのコンビネーションもいい感じだ。だけど、得意科目ばっかり踊らせてダンサーとして半端になっちゃうのも……っていうのもあるからねえ。やっぱりバランスよくいろいろ踊る方がいいんだろうなあと、つい無用なことを思ってしまったりもするのだった。


「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ 振付:ケネス・マクミラン 音楽:ジュール・マスネ
ニーナ・ポラコワ、マニュエル・ルグリ

 ルグリは、踊り始めれば若々しいけど、さすがに幕開けの瞬間は学生じゃないなあ、と。ポラコワの、どんどんテンションがあがって弾けていくさまが「初めて」っぽくて、マノンらしいという気がしましたが、ルグリの方は完璧な分だけちょっと先生入ったりして。いっそルグリの沼地を見てみたかったなと思いつつ、それと「手紙」じゃ、1日のガラで見るには重いよねえ。とかなんとかいいつつも、1部のトリにふさわしい盛り上がりでありましたよ。


「サイレント・クライ」 振付:パトリック・ド・バナ 音楽:J.S. バッハ
パトリック・ド・バナ

 えーと。これはこれで面白かったんだけど、もはやよく覚えてない(苦笑)。バナの動きがしなやかで、まだまだ「自作自演型」ダンサーでいくのかなー、と思ったり。自作以外のものを踊るとどうなるのかな、というのもちょっと見てみたいかも。


「グラン・パ・クラシック」 振付:ヴィクトール・グゾフスキー 音楽:フランソワ・オーベール
リュドミラ・コノヴァロワ、ドミトリー・グダノフ

 超絶技巧系でもなく、シャープな大技系でもなく、スタイルばっちりのわかりやすいイケメンでもなく、しかしながら「正しい王子」のグダーノフ。アルブレヒトでもデジレでもよかろうものを、なんだってグダーノフにグランパもってくるかなーと思いつつ。
 しかしなんというか、ボリショイの「格」ってやっぱりあるんだなあ。ウィーンの若手のドンキの後に彼のアダージョを見て、しみじみそう思いましたよ。わかりやすい大技がなかろうが、ジャンプの高さがなかろうが、スタイルがもっさりしてようが(ひどいな、ぢぶん)、そういうものとは別個に、すっと差し出される手や何気なパの中に「格」というのは厳然として内在するんだなあ……と、妙に感心してしまったのさね。ごめんよ、グダーノフ。
 コノヴァロワの脚の強さは、ヴァリエーションでいかんなく発揮されてました。片足屈伸で進むところ、あんなに軽々とされてしまってわ(笑)。フェッテは、スローの後にダブルを入れて。移動の少なさはたいしたものだ。彼女にとっては最適な演目だったかもなあ。


「カノン」 振付:イリ・ブベニチェク 音楽:オットー・ブベニチェク、ヨハン・パッヘルベル
デニス・チェリェヴィチコ、ミハイル・ソスノフスキー、木本全優

 ドレスデンの来日公演で通しで見た時は、白い発光したようなイメージだったのだけど、それはこの場面じゃなかったのかも。あの時はブベニチェク兄弟のシンクロぶりが面白かったけど、三者三様で踊っても面白い作品だった。ソスノフスキーがブベニチェクを踊ってるはずなのに、微妙にベジャールっぽい気がする(笑)。Aプロの残像か。好みなのはやはり木本さんで、自分のセクシャル・オリエーテーションって「男性」どころか「東洋人男性」限定だなぁと思ってみたり(←「異性/同性」は不使用なのさ)。
 で、この曲で戸川純を思い出す人ももはや少ないのだな、と思ってみたり(←律義なので思い出すのさ)。


「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」 振付:ジョージ・バランシン 音楽:P.I. チャイコフスキー
バルボラ・コホウトコヴァ、フリーデマン・フォーゲル

 いやもう、フォーゲルの「絶好調」ぶりったら! 何がそんなに楽しいんだか。チャイパドなのにロミジュリ(笑)。上手後ろに「心のきれいな人にしか見えないバルコニー」が設置されてるかと思っちゃったよ( ̄▽ ̄)。コーダなんか「ドッグランに放たれたレトリーバー」状態。どこがチャイパドだ、こら。勢いあまって、細かいところでちょこちょこやらかしちゃってもいたけど、もういい、許す許す(笑)。こんな幸せな疾走感にあふれたチャイパドは、滅多に見られないよなー。
 コホゥトコヴァのヴァリが可愛くて良かったな。相性という点ではちょっと微妙な二人ではありましたが、幸福感を損なうというほどでもなく、見終わってなんとも幸せな気持ちになりましたですよ。それがいちばんかもしれないよねぇ?


「オネーギン」より 第3幕のパ・ド・ドゥ 振付:ジョン・クランコ 音楽:P.I. チャイコフスキー
マリア・アイシュヴァルト、マニュエル・ルグリ

 2回目だからか、Aプロの時よりは冷静に(笑)。だけど、今までガラを含めて見続けてきた中で感じたのと同じこと……。アイシュヴァルトのタチアーナが、ルグリのオネーギンを愛しすぎてるのかなあ。なんというか、オネーギン、帰らなくてもいけるんじゃ? みたいな(うーむ)。「手紙」が意味を持ってくるのは全幕で見ればこそ、なのかもしれないけど、なにか明日は明日で口説いてしまえそうな。美しすぎて、あるいはエレガンスすぎて、肌触りがさらさらしてるのかもしれない、と思ったり。「鏡」も見てみたかったなあ。


 千秋楽とて、フィナーレでは金吹雪。最近よく出てくる「SAYONARA」の電飾はなし。この状況で「SAYONARA」っていわれたら、ちょっと凹んじゃいそうだから、それでいいやね。なんやかんやいいながらも、十二分に楽しんだBプロでした。

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