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【バレエ】チャリティ・ガラ HOPE JAPAN

東日本大震災復興支援チャリティ・ガラ HOPE JAPAN
10月19日(水) 6:30p.m. 東京文化会館

 ギエムの音頭取りによるチャリティ公演。「本公演の入場料収入、及び会場で販売するHOPE JAPANチャリティ・グッズの収入は、経費を差し引いた全額を、東日本大震災・津波遺児への支援金としてあしなが育英会に寄付させていただきます。/本公演は、出演者並びにスタッフ全員の無報酬の協力のもとで実現しています」というもの。それでもいいお値段ですが、今回はB席、3階サイドです。8ページ・カラーの簡便なパンフレットが無料配布され、演目紹介・出演者紹介のほかにダウエルの朗読した詩の対訳と、協賛企業のCMが掲載されていました。

 当初、バレエはベジャールしか決まっていなかったけれど、プティ、ロビンズと入って、現代の巨匠がバランスよく入ったカンジ(いっそジャークじゃなくて月のトロワにすればノイマイヤーも入ったのにー)。古典はなかったけれど、かえってこの場にはふさわしかったような。

【第1部】

「現代のためのミサ」より"ジャーク"(バレエ「ダンス・イン・ザ・ミラー」より)
ピエール・アンリ音楽/モーリス・ベジャール振付 東京バレエ団

 ……K村さん、いないじゃん!Σ( ̄ロ ̄lll)!(←この時点でもうオペグラで舞台中ウロウロ)。なんのための、なんのためのB席っ!主役だったくせにっ!!

 という個人的事情はさておき。初演の際はその主演だった人のおかげで連日かぶりついたりつかなかったりでしたので(なんだなんだ)、上から見るのを楽しみにしておりました。フォーメーションもおもしろくはあるけど、これはやっぱり近くで見た方が楽しいな。ゆうぽうとと比べるとちょっとぱらぱらに見えるかなーと思ったら、やっぱり人数は減員。途中で増員。高岸さんが踊ったソロは松下さん。高岸さんのような豪快な求心力はありませんが(そりゃなー)、松下さんらしい誠実で、若い踊りだ。「追悼」という意味でいえば、これでいいような気もする。ラスト(木村さんの部分も松下さんが担当)を含め、いくつか演出変更があったと思うけど、初演の「ダンス・イン・ザ・ミラー」の時にジルが手を加えている作品なので、もしかしたら今日のがそもそもなのかも?


ニネット・ド・ヴァロワによる詩「満ち足りた幽霊」「子どもの言うには・・・」
朗読:アンソニー・ダウエル

 カテコなしでダウエルの登場。背景は例の「HOPE JAPAN」のイラスト。今回のガラの経緯や、ロイヤルのメンバーと3.11の事態を(テレビで)みた時のことなどがスピーチされ、「ちょっと長めのイントロの後にタイトルの出る映画」のような構成だなー、と。ダウエルのスピーチと朗読された詩の邦訳は、左右の電光板に出されました。

 ダウエルがスピーチの中で触れた如く、ヴァロワが詩をものしていたということは知りませんでした。2つとも短いけれど、愛と死について書かれたもので、今日の舞台にふさわしいとともに、「ダウエルがヴァロワを読む」ということそのものが、ロイヤルからの大きなプレゼントのように思えました。


「ルナ」
ヨハン・セバスチャン・バッハ音楽/モーリス・ベジャール振付
シルヴィ・ギエム

 初見。白のノースリーブと長パン、背景は夜の淡い青。ギエムのポール・ド・ブラの美しさもあって、月なんだけれども白鳥のよう。静謐な世界でした。

「アルルの女」より
ジョルジュ・ビゼー音楽/ローラン・プティ振付
マッシモ・ムッル

 窓から投身するまでの最後のソロ。全幕でみていないので、ここだけ抜かれても、正直よくわからない。ムッルのポール・ド・ブラとか軽いマネージュとか、狂気に陥っていくさまとかは上手いなーと思うんだけども。せめてカルメンくらいメジャーな話だったらなあ、と思わなくもない。

「火の道」
舞踊:花柳壽輔  横笛:藤舎名生  太鼓:林英哲

 藤舎氏と林さんの即興コラボだった曲に花柳氏が参加。横笛と太鼓の演奏がどんどん高まっていったところで、中央に切り入れてある口(照明で真っ赤)から、薄黄に金の、鳳凰の羽根かなにかをモチーフに入れた装束の花柳氏。やっぱり男の人の舞は好きーー♪ 途中で黒衣が入り、装束を脱いで袴姿に。笛・太鼓・舞の三者が高まり合い、絡み合い。イメージは九州の九重連山だそうですが、地下水脈ならぬ地下火脈がどうどうと流れていくかのよう。やっぱりこの、土から立ち上ってくるような力強い(マッチョな)男臭さってのは、九州なのかなー。
 もう藤舎氏の笛がカッコよくて、カッコよくてー 。・゚・(ノд`)・゚・。 。林さんの大太鼓に一歩も引けを取らない激しさと強さ。はああー。Kさんのいない心の穴を藤舎氏があっというまに埋めてくれたのー(←埋まるの?)。
 花柳氏80歳、藤舎氏70歳。その年になっての素晴らしさって確実にあるんだけど、バレエという場ではそれを舞台で発揮する機会がほとんどないのは残念だなあ。


【第2部】

「ダンス組曲」より
ヨハン・セバスチャン・バッハ音楽/ジェローム・ロビンズ振付
マニュエル・ルグリ  チェロ:遠藤真理

 以前見た時はニコラで、確か4曲あったと思ったけど、今日は2曲。それくらいがいいような気もする。気だるい1曲目と、快活で楽しい2曲目。ニコラの時も思った「楽しいおっさんの休日」みたいなイメージは今回も。やっぱりあの赤ジャージの衣装だよねえ。実際は、上はちょっとベロアっぽい生地だし、下もスラックスっぽいんだけど、遠目でみるとジャージの上下に見える( ̄▽ ̄)。これが蝶ネクタイにサスペンダーつきだったらすごいオサレな演目なんじゃないかとか、チェロの女性奏者(とは限らないか?)ともドキドキなんじゃないかとか、余計なことを思いつつ。踊りはルグリですから悪かろうはずもなく。ちょっとした脚の出し方とか、細部の決まり方がいかにもベテラン。


「十五夜お月さん」「五木の子守唄」「シャボン玉」「赤とんぼ」「さくらさくら」
歌:藤村実穂子

 紫の、肩の大きく開いたドレスは「奇跡」の時と同じ? ダウエル様同様に、背景は「HOPE JAPAN」。アカペラです。凄い声です。朗々と響き渡るような。肩幅はぐっと広い(多分)けど、いわゆるオペラ体型ではないのになあ。「五木」がとてもよかったなあ。ちょっと低めから入って。「荒城の月」なんかもよさそうだなーとか。
 ……といいつつ。5曲だったのですが、8曲くらい聴いたような気がしました。それだけボリュームがあったということもありましょうが、……やっぱ、女声ダメなんですわ。もったいないやら、申し訳ないやら(寝たりはしませんでしたよ)。でも長い歌曲を1曲だったら大丈夫だったかも(フォローにならんな)。

「ボレロ」
モーリス・ラヴェル音楽/モーリス・ベジャール振付
シルヴィ・ギエム  東京バレエ団
指揮:アレクサンダー・イングラム 演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

 久しぶりに上からボレロを見ました。いいボレロでした。透明で、プレーンで、清らかな、原型のようなボレロ。煽るでなく、率いるでなく、台の上と下とが一つになった「ボレロ」という空間。不思議なもので、東バのリズムとギエムのメロディという組み合わせは、自分にとっては「ホーム」なんだなあ、と。どこか、帰ってきたような気持ち。

 以前のギエムもこんなボレロを踊ったようなことがあると思ったら、09年のベジャール追悼ガラの時でした(これの7日〜13日くらい)。ギエム自身がそのような存在になったのか、それとも「追悼」という場が、このような場を生むのか。

 木村さんや森田さんがいたころの、匂い立つようなセクシーさにはちょっと欠けるけど、ギエムを含めた鉄のユニゾンが、まるでタピストリーのように空間を織り上げていく。リズムとメロディは関係性ではなく、リズム即メロディ、メロディ即リズム。

 見終わった後に、これを福島や岩手の人に見てもらえるのが嬉しくてなりませんでした。

 ボレロのカテコの後は、ソリストたち、ジャークの女性たちが入ってカテコ。藤舎氏がいらっさらなかったみたい。今回の音頭を取ったギエムは、一度出演者に挨拶した後は、すっと脇に入って。そういうところもギエムらしい気がする。

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