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【バレエ】モンテカルロバレエ団Aプロ

2012年3月7日(水)モナコ公国モンテカルロ・バレエ団Aプロ 東京文化会館

 コピエテルスとローラントはガラなどで観たことがありましたが、バレエ団としては初見。以前、テレビで放映された「ラ・ベル」が好きじゃなかったんで、食わず嫌いというか(食ってはいる?)、敬遠してたんですが、祭典演目ということで行ってきました。結果としては観られてよかったな。席は1階やや前方の下手はじ(←割りと好きな辺り)。


「シェエラザード」
振付:ジャン=クリストフ・マイヨー (ミハイル・フォーキンへのオマージュ)
音楽:ニコライ・A. リムスキー=コルサコフ 美術・衣裳:ジェローム・カプラン
舞台装置部分:レオン・バクスト 照明:ドミニク・ドゥリヨ

愛妾ゾベイダ:小池ミモザ シャリアール王:ガエタン・モルロッティ 
シャゼーマン (王弟):レアルト・デュラク 宦官長:ロドルフ・ルカス
金の奴隷:アレクシス・オリヴェイラ、ジェオルジェ・オリヴェイラ
お気に入りの奴隷:ステファン・ボルゴン、ジェローン・ヴェルブルジャン、ラファエル・ボシャール、アシエ・ウリアゼレカ
お気に入りのハーレムの女たち:モード・サボラン、アンハラ・バルステロス、カロリン・ローズ

 セットは中央にV字に設置してある2枚扉のみ。キャスト表を見て「金の奴隷が二人?」と思ったら、本当に二人でした。名字同じだし、ちょっと似てるし、兄弟なのかな。
 板付きで、男性奴隷の群舞から。普通にシェヘラザードの奴隷っぽい衣装の群れと、やや簡素な黒の衣装の群れ。ゾベイダは白の胸当と長パンツ。王が黒の長い付け髭に黒の衣装、王弟が銀なんだけど、なんとなく王の衣装が簡素なので、ちょっと人に埋もれた感じに。

 元作通りのストーリーではありますが、最後はともかく、始まりはそれほど明確ではないのかな。宦官長に鍵をねだるとか買収するとかいう場面はなかったような(←あったのかも)。

 ミモザさんは初めてみるけど、すごいプロポーション。「ゾベイダ」はあくまでも彼女だけど、金の奴隷が二人いるのと同様に、「お気に入りのハーレムの女」の一人(サボラン?)がゾベイダと同じ衣装で、部分的にシンクロして踊る。

 これがとても面白かったです。ゾベイダと金の奴隷の片方、というミニマムなペアから、ゾベイダと金×2,(ゾベイダ+金)×2、さらに2組(4人)増量(マックス)のユニットが増減を繰り返しながら踊るんだけど、それが人数が増えても存在するのはゾベイダひとりみたいに思える。ゾベイダの「高まり」が、人の数として可視化されていくようなイメージ。フォーキン版でのPDDの曲が終るまで、そんな感じでした。あとはどんちゃん騒ぎだけど(笑)。だから最後に扉が開いて、奴隷たちの死屍累々が見えても、それは奴隷たちというよりも、ゾベイダの殺された「官能」のように思える。

 男性は南米系? の人が多いこともあって、すごくわかりやすいセクシーさ(^▽^)。「もう一人のゾベイダ」も(こちらは白人)わかりやすかったな。下世話にいえば、「おとせる」と思うのは「もう一人」の方で、「おとしたい」と思うのは圧倒的にゾベイダ(ミモザさん)の方だ。浮世絵風のセクシーさというか、淫猥さというか。でもどこかすっきりしていて、「猥雑」ではないんだな。非東洋人男性に一定「東洋女性フェチ」がいるのがすごくよくわかるなー。ていうか、ぢぶんの東洋男性フェチも、えーと……orz。
 ……ええまあだから、ほとんどミモザさんしか観てなかったですよ。思わぬ吸引力だったな。

 ラストの3人の殺され方は無性にリアルでしたが、後ろから剣で貫通されたら前には引き抜けないよなあ、と余分なツッコミを入れてみたり。
 

 

「ダフニスとクロエ」
振付:ジャン=クリストフ・マイヨー 装置、ドローイング:エルネスト・ピニョン=エルネスト
衣裳:ジェローム・カプラン 音楽:モーリス・ラヴェル

アンハラ・バルステロス-ジェローン・ヴェルブルジャン 
ベルニス・コピエテルス-クリス・ローラント

 白のシンプルな衣装のバルステロスとヴェルブルジャンが「ダフニスとクロエ」、赤の衣装のコピエテルスとローラントが「リュセイオンとドラコン」に当るわけだけど、コピエテルスとローラントがそれぞれではなくカップルなので、そこはかとなく「家族の肖像」のようにもみえる。

 白の若い二人のPDDは、それぞれの衝動を感じながら、触れ合うことがない。磁石の同じ極を近づけると一定以上からはどうしても近づけないように、二人のてのひらから「チカラ」が出ているかのよう。それが時折何かのはずみで突き抜けてお互いに到達し、あわくったりびびったりとまどったり。それにやがて登場する赤の年上のカップルが、二人で、あるいはそれぞれにパートナーを変えつつ(つまり3通りのカップルで)、「自然」の方向へ導き、若い二人が結ばれるのを見守る。

 エロスとさわやかさが入り混じったような、不思議なイメージになったのは、多分にローラント(さわやか担当)によるものだったような気が(笑)。ローラントがバルステロスと傾斜したセットに座り込んでいる図なんて、日曜日に仲のいい父娘が川べりの土手にしゃがんでるようなほほ笑ましさでありましたよ。あはは。

 コンセプト的には「手ほどき」なんでしょうが、「導き」ということばの方がしっくりくるな。そして「普遍」よりも「自然」。ちょうど一休なんか読んでる最中だったということもあるんですが、「性」の持つ、本来的なおおらかさといいますか、あけっぴろげさといいますか、「怖がらずに感じたままにふるまってごらん」とでもいうような。

 ヴェルブルジャンの幼さがいいけど、やっぱり大人のカップルの妙なさわやかさだな(笑)。初日はローラントではなかったので、また印象が違ったろうと思うけれど。コピエテルスはやっぱり凄いとしかいいようがないし、大好きだけど、ローラントのさやわかなおっさんっぷりが結構好きだなー♪

 以前、バーミンガムでアシュトン振付のを観た時もそうだったけれど、音楽があまり好きじゃないのかもしれないな。音だけで聞いたことがないからわからないけど。白い、シンプルな装置に投影されるエルネストのデッサンは、それがこの演目のウリのひとつだけど、踊りと共に楽しむためにはもう少し後ろの席(20列くらい?)か、上の席の方がいいみたい。自分のところからはどちらか交互に観る、という感じ。その分、コピエテルスとローラントを堪能したからいいけどー(←いやもう、お腹いっぱい)。
 

「アルトロ・カント 1」
振付:ジャン=クリストフ・マイヨー
音楽:クラウディオ・モンテヴェルディ、ビアジオ・マリーニ、ジョバンニ・ジローラモ・カプスベルガー (演奏:アカデミア、指揮:フランソワーズ・ラセール)
衣裳:カール・ラガーフェルド 装置デザイン:ロルフ・サックス 照明:ドミニク・ドゥリヨ

 暗めの舞台にはいわゆる装置はなく、火のついたろうそくが、場面によって高さと数を変えて吊り下げられる。音楽にインスパイアされた抽象バレエ。宗教的で(というのはこの場合「キリスト教的で」というべきなんだろうな)、とても美しかったです。一般的に言えば、薔薇っぽさ、百合っぽさ、倒錯っぽさ、ということになるんだろうけど、そういうことをすべて「どうでもいい」と軽く一蹴するような。

 ミモザさんはやっぱり好きなタイプ。ローラントとマルシャンのPDDもよかったけれど、自分的な白眉はコピエテルスとレイスのPDDだったな。
 コピエテルスが出るとやっぱり「真打登場!」てな気持ちになるけれど、イメージとしては「聖女」だな。それもいわゆる「無垢」の象徴ではなく、むしろ法難から立ち上がってくる逞しさを含んだような、あがめる対象だけど神ではなく「人」であるくらいのところの。男性たちに持ち上げられ、まるでイルカかクジラのように上下にうねりながら空中を「泳ぐ」さまは圧巻というか、なんというか。どうしてあのあとにちゃんと立てるのかがわからない(笑)。どういう三半規管なんだよー 。・゚・(ノд`)・゚・。 。ぢぶんなんか、事務用イスでくるくる回っただけでも立てないのに(おいおい)。

 最後の総踊り(というイメージではないが)になると、やはり目はコピエテルスとミモザさんに行くけど、二人の踊りの質はやっぱり違う。ミモザさんの踊りが相対的にまだ若いのもあるし、この先コピエテルスっぽくなっていくのかどうかもわからないけど。

「その憐れみは」カロリン・ローズ、小池ミモザ
「主は御腕にて力をあらわし」サラ・ジェーン・メドレー、シヴァン・ブリッツォーヴァ、アンハラ・バルステロス、エイプリル・バール、カロリン・ローズ、ベアトリス・ウァルテ、ノエラニ・パンタスティコ、小池ミモザ、モード・サボラン
「権力あるものをその座よりおろし」カロリン・ローズ、小池ミモザ、ノエラニ・パンタスティコ、エイプリル・バールラン
「主は憐れみを忘れず」「われらの先祖に告げたまいしごとく」 クリス・ローラント、ジェローム・マルシャン
「父と子と聖霊に栄光あれ」「初めにあったように今もいつも」(以上、モンテヴェルディ「マニフィカト」より)) クリス・ローラント、ジェローム・マルシャン、ラモン・ゴメス・レイス
「シンフォニア・グラーヴェ」(ビアジオ・マリーニ) ジュリアン・ゲラン、ラファエル・ボシャール、ブルーノ・ロケ、ステファン・ボルゴン、アシエ・エデソ、ジェローン・ヴェルブルジャン、ジェオルジェ・オリヴェイラ、レアルト・デュラク
「今や天も地も」(カプスベルガー)  ベルニス・コピエテルス、クリス・ローラント、ジェローム・マルシャン、ジュリアン・ゲラン、ラファエル・ボシャール、ブルーノ・ロケ、ステファン・ボルゴン、アシエ・エデソ、ジェローン・ヴェルブルジャン、ジェオルジェ・オリヴェイラ、レアルト・デュラク
「コラシオーネ」 「トッカータ・アルペッジアータ」 (カプスベルガー)  ベルニス・コピエテルス、ラモン・ゴメス・レイス
「他の者は軍神マルスのために歌う」(モンテヴェルディ) ベアトリス・ウァルテ、ラファエル・ボシャール、小池ミモザ、ブルーノ・ロケ、カロリン・ローズ、ジェローム・マルシャン、クリス・ローラント、サラ・ジェーン・メドレー、シヴァン・ブリッツォーヴァ、アンハラ・バルステロス、エイプリル・バール、ノエラニ・パンタスティコ、モード・サボラン、レアルト・デュラク、ステファン・ボルゴン、アシエ・エデソ、ジェオルジェ・オリヴィエラ、ラモン・ゴメス・レイス
「さえぎられた希望」(モンテヴェルディ) モンテカルロ・バレエ団

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