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【バレエ】新国立劇場バレエ団「シルヴィア」その2

 2幕。オライオンの洞窟。さらわれてきたシルヴィアは黒い下着(?)姿。オライオンと手下のゴグとマゴグによる宴会の準備。かごのぶどうに気づいたシルヴィアは、ゴグとマゴグにそれを足で踏ませてワインを作り、3人に飲ませる。かくして3人は酔いつぶれてしまったものの、洞窟からの出口がわからないシルヴィアは泣き崩れる。と、後ろのセットが開いて、目の見えないアミンタとエロスが現れる。シルヴィアは一瞬喜ぶが、自分が下着(?)姿なのに気づき、逃げ出してしまう。アミンタはまたふらふらとシルヴィアを追って行く。

 とにかく踊りっぱなしの佐久間さんが素晴らしい。体力だなー。妖艶すぎない色っぽさもいい。厚地さんのオライオンは、この場面では「若い」というよりも「幼い」。何も知らない粋がった不良少年のような。踊りは大きくて、迫力はあるんだけども、まあ話としては少年が手玉に取られるでも別にかまわないのか。
 かごのぶどうを踏ませる演出は、ただ飲ませてるだけのアシュトン版よりも「ワインを作り」という原テキストがわかりやすい気はするが、逆に「踏んでるだけですぐワインかいっ( ̄▽ ̄)」というか、「やっぱメチル混ぜてるだろー( ̄▽ ̄)!」っていうネタ(これね)を思い出したりして。あはは。その意味ではアシュトンの「酔わせて、踊らせて、つぶす」というのは正しいのか。

 ゴグとマゴグはジルベルトとジョルジュのスライド(というか)。1幕では伯爵との主従関係はないように思えますが、こちらは「手下」。「ゲイ」ではなくて「愚鈍」の記号みたいなものかな。まあオライオン自身が頭悪そうだけど。ここも人好きしそうな場面ですが、自分としては特にどうという感じでもなく。もう少しユニゾンが……(←お疲れめ?)。
 ……というよりも、やっぱりアシュトン版のどんちゃん騒ぎに比べると地味だなあ、と思ってしまうんだな、やっぱり。シルヴィアの衣装が黒なのもあるのだろうか。ろうそくをたくさんともした洞窟のセットはきれいなんだけど、暗めではあるよね(だって洞窟だし)。

 シルヴィアがアミンタから逃げちゃうのもどうかなあ、と。プログラムによると「オライオンと一夜を過ごしていることに恥じ」ってあるんだけど、別にやってないだろー? と(あら直裁)。おかげでアミンタが、ふらふら来てふらふら去って行くだけになっちゃったやんか。手間かけさせるなあ。


 3幕。ディアナ神殿の前。ディアナの部下のニンフたち(?)による群舞。ネプチューン、マーズ、アポロ、ジュピターのヴァリエーション。沖合を船が走り(早っ!)、ぐるっと回って前面に着岸(早すぎっ!)。降りて来たのは海賊4人と義足の首領。連れて来た女奴隷の踊りと値踏みするダイアナ。かぶっていたヴェールを上げて踊るうちに、ダイアナはその一人がシルヴィアであることに気づく。ダイアナを恐れるシルヴィアは売らないでくれと海賊たちに頼むが、アミンタがふらふらとやってきて、シルヴィアを取り戻す。怒ったんだかあきれたんだかのダイアナ一行は神殿の中に戻り、海賊の首領がアミンタの目隠しを外すと、アミンタの目は見えるようになる。「実はオレがエロスだったんだよーん」というわけで、感謝されつつ海賊船は出航して行き(早っ!)、シルヴィアとアミンタのGPDD。

 群舞の「最大の見所」はここだったのかなあ、と思いつつも、この日はちょっとお疲れめだったかも知れないな。とにかくパを詰め込めるだけ詰め込んだような踊りなので、これを連日やろうっていう方がそもそも無茶なような気も(^▽^)。振付というか、フォーメーションの組み方は軍隊的というか、マスゲーム的で(ダイアナのニンフだからね)、そのように踊られていたと思います。さらに、ボスがダイアナってことで、門番の宦官二人以外は全部女性。ヴァリエーションを踊る4人の神も全部女性です。「大奥」と同じ発想というか、男子禁制だから。だったら最初から女神呼べばいいじゃん、という気もしますが、ここはあえて男神を女でやろうという(←ちょっと感心した)。マーズを踊った竹田さんの軽やかさが印象的でした。

 チラシなどにもなっている、目隠しをしたアミンタとシルヴィアのPDDはここ。実際は見えているとはいえ、視野はかなり狭い状態でのリフトはキツイだろうなあ。その後で、エロスのソロがあってGPDDだったかな?(←そろそろ記憶が曖昧)。エロスの片足義足(海賊ものでよくある、先が木の棒になったもの)は、膝で曲げてしばってズボンの中に入れてるのかな? と思ったのですが、上衣の背中のスリットからしっぽのように足が出てましたよ( ̄▽ ̄)。とはいえ、膝で折り曲げて固定してあることに変わりはなく、あの状態で長くいるのは大変なうえに、結構なスピードで踊るんですよ。グランピルエットもあるんですが、不自由な方で遠心力を作るのは見る以上に大変だろうなあ。すごいなあ。

 GPDDはオリジナルの振付。あのアダージョの音楽は、無条件で幸せだよねえ。佐久間さんのピチカートの繊細な感じ。アミンタのヴァリは、あの後ろに大きく反転して飛ぶ、トレードマークのようなジャンプがないのが寂しいけど、踊りはやっぱりいいなあ。チーちゃんならもう少しいけるのでは?(主に背中関連)という場面もないではないけど、ジュテやマネージュの形の美しさはやっぱり好き。

 というところに、追いかけてきたオライオンが登場、神殿の柱を壊したりしながら(←びっくりした)大暴れ。と、怒り満身のダイアナが馬の像に乗って現れ(←何人かで引いたり回したりするようになってる)、ワルキューレ……じゃなくて武装したニンフたちが槍を構える。……ってやっぱりワルキューレだよな、あれ。ベジャールのリングなんかに出てくるような。オライオンはあっけなく、馬の前足にひっかけられてお陀仏。次はシルヴィアとアミンタの番、ってなわけで二人がなぎ倒されたところに……だったかな。なぎ倒されたんじゃなかったかな(←倒れてたのは確か)、とにかくいつの間にやら白スーツに着替えたエロスが馬の前足の間に。馬を降りたダイアナと何やら談合するんだかしないんだかの間に、するすると伯爵邸のセットが降り、舞台は現代へ。家の奥からはすっかり改心した伯爵が以前のスーツ姿で現れ、夫人に謝罪し、子どもたちのよいパパとなって大団円……(・_・)エッ....?

 やっぱり厚地さんのオライオンは「若い」というより「幼い」なあ。力にまかせた八つ当たりという感じで、でもまあそれは悪くない。本島さんがやっぱりかっちょいいよ! 馬の像はかなり大きいし、あの背の上に立ったままで引いたり回されたりするのはすごく大変だろうな。オライオンがいつ引っ掛けられたのかも、エロスがいつ登場したのかもわからなかったよ(ノ_-。)。

 現代への転換は、装置よりも、ダイアナやシルヴィアの演技でよくわかる。アミンタは最初の格好のまんまだし、伯爵夫人やシルヴィアは例の「神話の扮装」の枠内でなんとかなるような(ならないような)気がするけど、確かに伯爵がオライオンの格好のまま出てくるわけにはいかないよねえ……といいつつ、やっぱりその変貌ぶりはちょっと無理があるような。「これからは殺されないようにいい夫になります!」って話じゃない……ない……ない……はずだ……多分。オライオンーダイアナの関係が伯爵ー伯爵夫人とパラレルではないから、なんか妙な感じになるのかなあ。シルヴィア・アミンタとダイアナの和解もないから、二人の真実の愛にオライオンーダイアナが打たれる、という展開にもならないしなあ。

 最後にジョルジュとジルベルトが小道具を回収。これまでの海賊やニンフたちは招待客たちだったのね、という読みにもなってそれはおしゃれなのだけど、だったらゴグとマゴグはオライオンじゃなくてエロスの配下の方が自然な気もするしな……。いや、そこまで考える話じゃないんだろうけど。

 見てる間は面白かったんですけどね。なんか、どこかでつじつまが合わなくなってるような後味が。古典のつじつまの合わなさは別にどーでもいいんですけど、現代に置き換えるって、やっぱりそこいらのリスクもあるんだな、とかなんとか。

 カテコで初めて、エロスの背中にちっちゃな羽がついてるのに気がつきましたよ(^▽^)。あれ、最初からあったのかな?

 コメントなどはここいらへでも。

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