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【バレエ】マラーホフの贈り物ファイナルAプロ

2013年5月21日 <マラーホフの贈り物 ファイナル!> Aプロ  東京文化会館

 
 シュツットガルト組の来日が遅れたり、マラーホフのふくらはぎの不調があったりで、直前までプログラムの変更があったけれど、なんとか初日の幕が無事に上がりましたよ、と。座席は祭典枠とて、1階の前方、上手ブロック。
 「シンデレラ」のマラーホフを見ながら、なんか似てるものを知ってるような気がする……と思ったら、「すぎなレボリューション」の日置くんだったような。


「白鳥の湖」第2幕より
振付:レフ・イワーノフ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
オリガ・スミルノワ、ウラジーミル・マラーホフ 東京バレエ団

 グランアダージョからコーダまでの通しで、ロットバルトはなし。三羽が矢島、川島、小川、四羽が阪井、岸本、村上、吉川。元々「ジゼル」だったのが1ヶ月ほど前に変更になったし、最近「白鳥」やってなかったし、と思ったけれど、そこはしっかりと揃えてきて、ほどよい緊張感のある舞台でした。三羽が初役の小川さんが入って、ちょっといつもよりも一体感がなかったかな。
 スミルノワは、マラーホフにはちょっとデカイなあ……。初日とて、息の合わせ方ももうひとつ。なんというか、あまり好みのタイプではないんだな。マラーホフの王子は、疑うことをしらないような純情王子。心配した体型も、今回はそうでもないよ、大丈夫だよ! と、この時点では思ったんだよな。

「トゥー・タイムス・トゥー」
振付:ラッセル・マリファント 音楽:アンディ・カウトン
ルシア・ラカッラ、マーロン・ディノ

 ギエムがひところ定番にしていた「Two」にはいくつかのバージョンがあって、これは中央に女性、少し離れた上手に男性という、二人で踊るタイプ。たしか以前、ギエムとニコラで踊った時は一つの照明の中に二人が入っていたと思うので、これはそれとも違うバージョン。音楽は同じ。最初の「こーーん」とでもいうような音が好きなんだよなあ。
 で、ギエムとニコラでみたバージョンは面白かったんだけど、これはあまり感心しなかったな。腕の残像の面白さなどは確かに「Two」なんだけど、全体に散漫で、「空を切り裂くような」感じはあまりなかった。ラカッラの身体能力はすごいんだけど、何かひと味足りない感じ。


「ギルティー」
振付:エドワード・クルグ 音楽:フレデリック・ショパン ピアノ:菊池洋子
マライン・ラドメーカー

 シュツットガルトの都合で1演目減った替わりに、急遽ラドメーカーのソロが追加されたもの。いきなりで菊池さんも大変だろうと思ったけど、ポピュラーな曲だった。ラドメーカーの律儀さはありがたいが、作品として面白いかといわれるとそうでもないな。というか、この手のものに食傷し始めたのかも。


「ラ・ペリ」
振付:ウラジーミル・マラーホフ 音楽:ヨハン・ブルグミュラー
吉岡美佳、ウラジーミル・マラーホフ

 ずいぶん前に新書館の「バレエ101物語」に出てたのをうっすら記憶してる程度だったんだけど、マラーホフが出てきたとたんに「ファラオの娘かよ! エジプトかよ!」と思ったら、本当にエジプトの話だたったらしい( ̄▽ ̄)。いやなんというか、何もその衣装でなくても……というくらい、セパレートになった部分の腹回りが気になるデザイン。ジークフリートの時には気にならなかったのになぜ……という方に頭がぐるぐるしちゃった。美佳さんの妖精は、妖精らしいけどちょっと時代がかった感のある白にところどころ肌色の入った衣装。いかにも19世紀ロマン派っぽい格調と、19世紀ロマン派っぽいぽったりまったり感がセットという感じで、まあそう思えばぽっちゃり王子は富豪の印よねー(本来はペルシャの詩人だったはずー)、とかなんとかぐるぐる思ってる間に終わっちゃいましたよ。


「海賊」より奴隷のパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ 音楽:コンスタンティン・フリードリヒ・ペーター
ヤーナ・サレンコ、ディヌ・タマズラカル

 てっきりいつものPDDだと思ってたので、「おおっ!」と( ̄▽ ̄)。確かにサレンコはメドゥラよりもギュリナーラの方が似合いそうだな。ここへきてようやく、「安心して見られるクラシック」という感じで、こちらも肩の力を抜いて楽しみました。タマズラカルがまた、すっごく楽しそうに跳ねる,跳ねる。ちょっと奴隷商人っぽいうさんくささもあって、楽しかったなー。


「シンデレラ」
振付:ウラジーミル・マラーホフ 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ、ウラジーミル・マラーホフ

 休憩をはさんで、サレンコの連投。ベルリンの全幕公演ではポリーナで見たので、サレンコが踊るシンデレラは初めてかも。一見かわいくて、でもツオイというサレンコはシンデレラにはぴったりかも。ベルリンのシンデレラの衣装は好きなんだけど、王子の方はノースリーブなのがちょっとなあ、とは以前から。初日とて、マラーホフのサポート(特にリフト)があまり上手くいかず、ひやっとする場面も。マラーホフのサポートの心配をする日が来るとは……と思いつつ、それでもちょっとおっとりさんの、「深窓の令息」(なんだそれは)的な王子さまでありました。

「フランク・ブリッジの主題による変奏曲」
振付:ハンス・ファン・マーネン 音楽:ベンジャミン・ブリテン
マリア・アイシュヴァルト、マライン・ラドメーカー

 アイシュヴァルトの総タイツがワインレッドだったので、一瞬ラカッラかと(笑)。フォルムのひとつひとつがとても見事で、特にアイシュヴァルトのアラベスクの形などは本当にきれいなんだけど、あまり好みではなかったなー。ブリテンがそんなに好きじゃないのもあるのかもしれないけど。


「レ・ブルジョワ」
振付:ヴェン・ファン・コーウェンベルク 音楽:ジャック・ブレル
ディヌ・タマズラカル

 いやー、今までみた「レ・ブルジョワ」の中で、いちばん楽しかったんじゃないかな! というか、これがこんなに楽しい作品だなんて、今まで思ってなかったよ。やっぱりこれは適度におっさんくさくないとつまんないんだなあ。文句なし。


「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フレデリック・ショパン ピアノ:菊池洋子
ルシア・ラカッラ、マーロン・ディノ

 ディノが「若さゆえの愚か者」丸出しで、たいそうアルマンらしく、ラカッラもいかにも肺病やみっぽく咳き込んだりしてはいたんですが、コジョカルの時に感じた違和感をやっぱり感じてしまいましたよ……。あんなに「ぱきーん」とか「くきーん」とかなるような振付だったかいな……と思いつつ、最近の演出ではそうなのかもしれないなあ、と。
 いや、あらためて思いましたけど、結局ぢぶんはこのいわゆる「黒のPDD」が好きじゃないんだな( ̄▽ ̄)。人気演目で、何度も見てるんだけど、いいと思ったことがほとんどない。もっとも「オネーギン」の「手紙」も、全幕を見るまではそんな感じだったので、「椿姫」も全幕を見た後でなら違ったふうに見られるかも、とは思うんですけども。


「白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
オリガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン

 えーと。なんか違うなー、という。多分、人受けはするんだろうなと思いつつ、自分の見たいものとはちょっと違うというか。チュージンはダンチェンコにいた頃の方が面白かったかなあ。これがボリショイだと思うから「むー」な感じがするけど、たとえばベルリンのペアだと思えば「こんなもんかな」という気もするし。二人とも若いから、まあこれからボリショイっぽくなっていくのかもしれないけどな。


「瀕死の白鳥」
振付:マウロ・デ・キャンディア 音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウラジーミル・マラーホフ

 「パンツいっちょ」のマラーホフが、いちばんマラーホフらしいという驚き。美輪サマの舞台で、美輪サマの体型では論理的に考えられないようなラインを見いだしてびっくりすることがよくありますが、「パンツいっちょ」のマラーホフがやはり、数年前のマラーホフと同じラインを描き出す瞬間がしばしばあって、それはもう表現者として何か一線を超えた人にだけ起こる「何か」なのかもしれないなあ、と。予定ではなかった演目だけど、見られてよかった。以前のガラで見た時は、ちょっとあざとい感じもしたけど、今回はすばらしかった。最後の演目がこれでよかったなー。


 フィナーレは特に趣向はなかったけど、タマズラカルとサレンコがそれぞれ違う演目の衣装なのに、まるで二人で踊っていたかのようにマッチしていておかしかったな。そしてマラーホフと観客は、相思相愛なんだなあ、と、カレーニョのABT引退の時に思ったことを思ったり。

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