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【バレエ】ディアナ・ヴィシニョーワ 華麗なる世界Bプロ

2013.8.22 《ディアナ・ヴィシニョーワ 華麗なる世界》Bプロ ゆうぽうとホール

 NBSでは初めてのヴィシニョーワの冠ガラ。以前のガラはマリインスキー来日公演の一環だったから、いわゆる「お友達ガラ」的なものとしては初めてなのかな。コンテやPDD中心のガラだと、ゆうぽうとくらいの箱でちょうどいいなー。しかし、平日のソワレにやるにはボリュームたっぷりすぎて、終わって一服するくらいの時間的余裕もほしかったりして。お席は前ブロック、左右も前後もど真ん中。ぢぶんの前の人は小柄だからよかったけど、お隣さんは前が大きめな人だったので若干苦労していた気配。


Prologue
振付:マルセロ・ゴメス

 暗い舞台の上、スポットの当たったヴィシニョーワに、今日の出演者が少しずつ登場してはからみ、最後は全員(ドリーブに出る2人はどうだったかな)が揃う。プロローグといっても1曲分くらいはあったんじゃないかな。できればそこからするっと1演目目に入ってほしかったなと思うけど、一度幕が降りてちょっと時間がかかった。作品そのものはとてもスタイリッシュ。


「ドリーブ組曲」
振付:ジョゼ・マルティネス 音楽:レオ・ドリーブ
メラニー・ユレル、マチアス・エイマン

 ユレルを見るのはすごく久しぶりのような気がするけど(来日公演の時に見たのかどうかすら覚えてない)、調子がよくなかったのか、どうも安定がよろしくないというかなんというか。キラキラ感みたいなのはあるんだけども。エイマンは上手いなあ。上手いけどなにかいつも困ってるような気がする。


「レダと白鳥」
振付:ローラン・プティ 音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハ
上野水香、イーゴリ・コルプ

 白鳥に化けてレダの元に通うゼウスの話。コルプは柔らかさの中に威厳があって、「神の化けた白鳥」というにふさわしい。「イロモノ系」よりはこういう方が好きなんだけどな。腕、すごいなー。水香ちゃんは、デコラティブな衣装よりも、こういうすっきりシンプルな(すとんとした)衣装の方が似合う。レダの方は白鳥の正体を知らないままに……えーと……な話だったと思うけども、水香ちゃんのレダは、無防備に白鳥を受け入れたり、行ってしまおうとする白鳥を行かせまいと気を引こうとしたり、自分も白鳥になるべく(いとおしい)白鳥の真似をしてみたり、白鳥を(鳥として)いとおしんだり、でも肉体の悦びももっとーヽ(´▽`)/だったり、少女/娘/妻/母までのそれらが入れ替わり立ち替わりくるくるしてて、定まらないなあと思いながらも、でも案外その「定まらなさ」が「正しい」のかもしれないなあ、と。


「タランテラ」
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ルイス・モロー・ゴットシャルク
アシュレイ・ボーダー、ホアキン・デ・ルース

 今日のいちばん! かも。楽しかったあ! タンバリンも小気味よいし、踊りも爽快。ホアキンの表情がくるくる変わって芝居っ気たっぷりなのがいいな。小柄なペアなのにパワフル。

「精霊の踊り」
振付:フレデリック・アシュトン 音楽:クリストフ・ヴィリバルト・グルック
デヴィッド・ホールバーグ

 奥に小さな階段(3段くらい?)。すごく美しい踊りだったけども「精霊」というには肉体っぽい。白のボトムだけの衣装、ということもあって、ちょっとアポロっぽいというか。「精霊」という言葉のイメージが、多分あちらとこちらで違うんだろうな。ギリシャ神話の半神半人みたいなイメージ。


「真夏の夜の夢」
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フェリックス・メンデルスゾーン
エレーヌ・ブシェ、ティアゴ・ボァディン

 メンデルスゾーンというので、例の組曲からなのかと思ったら、聞き覚えのない曲。ボァディンがデジレ風、ブシェが白のゴージャスなドレスという衣装からすると、テセウスとヒポリタの結婚式かな? クラシカルだけど、各人の超絶技巧というよりもパートナーシップが超絶なのがノイマイヤーなんだろうなあ。さすがだなあ、と思いつつも、ちょっとぢぶんには長かったな。


「カルメン」
振付:アルベルト・アロンソ 音楽:ジョルジュ・ビゼー/ロディオン・シチェドリン
ディアナ・ヴィシニョーワ、マルセロ・ゴメス、イーゴリ・コルプ
後藤晴雄、奈良春夏、東京バレエ団

 見慣れたアロンソ版のカルメンなんだが、今回は群舞が顔半分仮面風の塗りになっててびっくりした。びっくりと言えば、カルメンの最初の赤のレース(?)の衣装もちょっとびっくりしたけど、途中で黒(色違い?)にお着替えでちょっとホッとしたり。いや赤も似合ってるからいいんだけど。
 ヴィシニョーワは、「カルメン」と聞いたときに思い浮かべるようなカルメンその人。アロンソ版のカルメンは「自由」が重要なテーマだと思うけど、個人まるごと生き方としての「自由」を掲げたプリセツカヤからすでにもう長く経っているわけで、まあ「ソ連も遠くなりにけり」と思わなくもないという。それでもヴィシニョーワは「男からの自由」……というより「男を選ぶ自由」かな。なんかこう、通った後に男が死屍累々、みたいな強さはあったなー。
 ゴメスがなあ。ホセのソロはだいぶ振りが違ったような気がしたけども。あれも人によって多少は違うんだけど、両手で腰ごにょごにょのところが全部違ってて、あれで相当減点だよー。ソロ前の、帽子抱きしめて「たまんねーーー!!」っていうのは可愛かったけども。そんで帽子ポロリはなし(←いやこれはチェックしなくていいよな、もう……)。後藤さんと並ぶとなんか海兵隊みたいだなあ。で、中盤のPDD辺りだと、アメリカドラマによく出てくる夫のようだ。アメリカンというか、全体に大味。エスカミリオだと高岸さんくらい大味でも問題ないんだなあと妙なことに気づいたり。
 コルプは、特に「アヤシイ」とは思わないんだけど、かっこよくて上手いよな。ゴメスと逆の方がよかったかもなあ。あ、カルメンがホセに刺された後、後ろで奈良ちゃんのポーズをフィニッシュにもっていくべく、サポートした腰から「みょぞみょぞみょぞ……」と持ち替える指が妙に怪しかった。なんでそんなとこ見てたんだ、ぢぶん。

 後藤さんのツニガは好きな役。もう少し出張ってもいいよー、と思うんだけど、こういうときにちょっと下がるのはまあ後藤さんらしくもあるのかな。指の動きがちょっと女性っぽくていいんだよね。上から抑圧する上司というよりも、ちょっと神経質そうな。ベルクカッツェ的なというか。奈良さんの牛はさすがの安定。女性ソリストは吉川さんと川島さん。川島さんいいよーヽ(´▽`)/! うっかり見ほれてしまって、男衆を見そびれてしまった。男性は、センターが梅さんと永田くん、手前が岡崎くん(音出し担当)と氷室ックであってるかな。梅さんのシャープさが目を引くとともに、あの衣装が妙に似合うな、と。


「眠れる森の美女」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ルドルフ・ヌレエフ/マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
メラニー・ユレル、マチアス・エイマン

 ユレルはやっぱりどうも安定感が今ひとつだったような。エイマンはものすごく上手いんだけど、やっぱりちょっと困り顔のような気がする。佐久間さんやコジョカルみたいな「困り眉毛」ともちがうんだよなー、と思いながら見ているうちに、ふと「あのビミョーに半開きになった口元が困ってるんだろうか」と思い当たり、以後口元が気になるという……orz。本当に上手いダンサーだと思うんですけどね。


「チーク・トゥ・チーク」
振付:ローラン・プティ 音楽:アーヴィング・バーリン
上野水香、ルイジ・ボニーノ

 黒のスレンダーなドレスにハイヒールの水香ちゃんと、蝶ネクタイのボニーノ。小さなテーブルをはさんで、あるいはテーブルに乗ってのダンスは、ちょっと背ぃのびした女の子と大好きなおじさま、といった風。水香ちゃんは、ショーダンスみたいな方があうのかな? この「背ぃのび」感がなんとなくいいんだけどね。なにより2人があんまり楽しげなので、見てるこっちも楽しくなっちゃう。


「ナウ・アンド・ゼン」
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:モーリス・ラヴェル
エレーヌ・ブシェ、ティアゴ・ボァディン

 ラヴェルの協奏曲は、「タジラード」に使われた2楽章。ということもあってちょっと来し方を思い出したり。ボァディンは赤のレオタードとソックス、ブシェは水色に赤のあしらいの入ったユニタード。どうもこの手の衣装がなあ。「スプリング……」みたいな衣装だったらまた印象が違うと思うんだけど、この日のぢぶんにはやっぱり長かったという。


「パリの炎」
振付:ワシリー・ワイノーネン 音楽:ボリス・アサフィエフ
アシュレイ・ボーダー、ホアキン・デ・ルース

 というか、そろそろ見る側が疲れてきたのもあるのかな……。ボーダーもホアキンも達者だなあ、と思いつつ、「タランテラ」ほど面白くはなかったような。ホアキンの、特にジャンプ系の超絶技巧や、ボーダーの弾むようなアレグロとか、踊り自体はほんとうに「達者」だったんですけども。もう少し違う味付けのものも見たかったかも。


「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フレデリック・ショパン ピアノ演奏:菊池洋子
ディアナ・ヴィシニョーワ、マルセロ・ゴメス

 ガラの定番なので、本当に何度も見るんだけども、前回見て「ぢぶん、もしかしてこの演目がそんなに好きではないのでは……?」とほのかに思ったのが、「やっぱりそうなのかなー」と。ヴィシニョーワの椿姫は存在感がバリバリで、とても美しかったし、ゴメスは大きなわんこ系でサポートも上手かったんだが。


Finale
 タンゴに乗せた全員でのフィナーレは、やはりゴメスの振付。作品自体はおしゃれで面白かったけど、長いガラの最後に来るには、イントロが長いこと、長いこと(笑)。ヴィシニョーワはゴメスとホールバーグとで両手に花。水香ちゃんはコルプと組んでたから、やっぱりボニーノはここにまでは出ないのかな、と思ったら、最後にするっと出てきてさらってっちゃった( ̄▽ ̄)。ベテランはこういうところが違うよね。


 充実してたし、面白くもあったのだけど、これが休日のマチネならなー、とも思いましたとさ。でもヴィシニョーワのガラが定番化するなら、それはそれで悪くないな、とも。

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