【映画】

【映画】夢のまにまに

夢のまにまに

木村威夫/原作・監督/2008年/日本/1時間46分

 木室(長門裕之)は、妻・エミ子(有馬稲子)の世話をしながら、映画制作の学校・NK学院で若者たちを教えている。足が不自由になったエミ子は、広告チラシでコラージュを創り、最後まで思い出せないピアノ曲を弾き続けている。老いた木室は何かにつけて、自分の過去を思い出すようになる。空襲の最中のエミ子との出会い、焼け跡の飲み屋とそのママ(宮沢りえ)、飲み屋の常連の文士たち。ある日、駅前の広場にある、幹にたくさんの瘤のある銀杏の大樹のそばで、木室はママによく似た銅版画家・中埜(宮沢りえ・二役)と出会う。一方、木室の生徒の一人、腕にマリリン・モンローの刺青をした村上(井上芳雄)は、統合失調症のため学院を中退して故郷の熊本で入院する。木室と村上との手紙のやりとりが始まる——。

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【映画】落葉

落葉

オタール・イオセリアーニ監督/1966年作品/グルジア映画/原題:ΛИСТОПАД

 作品情報は「goo−映画」(こちら)より。

 映画はまずグルジアでのワイン作りの場面から始まる。ここはセリフなしの音楽だけ。ぶどうの収穫、そのぶどうを各家の丸太舟のような……何て言うんだ、あれ……に入れ、足で踏んで出た果汁を舟形の下からパイプで地下の貯蔵庫に流し込む。そしてできたワインと宴会。ただ白黒映画だからなぁ。ワインがいまひとつおいしそうじゃないんだな。ワインってやっぱり色も味のうちなんだろうなぁ(ぢぶん、白しか飲めませんが)。

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【映画】花と兵隊

花と兵隊

松原要樹第1回監督作品/2009年/106分

 アジア・太平洋戦争後に戦地からかえらなかった、いわゆる「未帰還兵」。この映画は、ビルマとタイに住む六人の未帰還兵をめぐるドキュメンタリーである。自分にとっての未帰還兵といえば、横井・小野田両氏だったり、水島上等兵だったり、「ムルデカ」だったりしたのだが、自分のそうした知識とイメージの粗末さを反省した次第。

 六人が日本に帰らなかった理由はさまざまだ。帰ると戦犯になってしまう人、そもそもブラジル移民だった人。その決断はそれぞれに重かったのだろうが、それでもそこから感じるのは、今、二〇〇九年のビルマと日本からはちょっと想像しがたいような「地続き」の感覚だ。一九四五年当時のビルマと日本に時間を巻き戻してみるには知識と想像力が必要だが、今の感覚だけではかると見誤ることも多いだろう。


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【映画】踊れ、グローズヌイ!

踊れ、グローズヌイ!

監督 : ヨス・デ・プッター
2002年/オランダ/75分/カラー/ロシア語
製作 : ツェッパー・プロダクションズ+イコン
日本語版字幕製作 : アムネスティ・インターナショナル日本+東京シネマ新社


 とても美しい映画です。2002年製作なので状況的にはやや古いですし、ドキュメンタリーといっても「解説映画」ではなく、状況についてわかりやすいかというとそういうわけでもない。

 映画の冒頭に掲げられた「軽やかに美しく踊る者は、観る者と自分とを幸福にする」(←正確ではないかも)は、彼らの舞踊団がかつて使っていた稽古場に掲げられたレリーフのことば。これが全体のモチーフでもあります。舞踊団の子どもたちは、日本でいうと小学生から高校2年生くらいまで。これがまたみんな可愛いんだ。花嫁のような衣装の女の子たちも、民族衣装(風?)の男の子たちも。ついでに舞踊団の主催者アフマードフも渋いオヤジでモロ好み(笑)。

 かつて民族舞踊の有名なダンサーだったアフマードフは、引退後に自分の踊りを伝えるために子どもたちを集めて舞踊団を作る。それがチェチェン戦争で散り散りになってしまい(60人中20人が消息不明に)、稽古場も破壊される。それでもアフマードフはもう一度子どもたちを集めて舞踊団を再結成し、国内のみならずヨーロッパへもバスツアーを行う。

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【映画】懺悔

懺悔

テンギズ・アブラゼ監督作品 1984年 カラー ソビエト(グルジア)


 84年制作のグルジア映画。「ソビエト全土の公開でも記録的な大成功を収め、「パカヤーニエ(ロシア語題名)現象」と呼ばれるに至った。その社会的反響は1991年のソビエト連邦解体にもつながるペレストロイカ(改革)、グラスノスチ(情報公開)の象徴となった」と、解説にはある。

 とある架空の街。市長(アフタンディル・マハラゼ)が死に、その形式張った葬式。ところが翌日、掘り返された市長の死体が自宅におかれる。埋めても埋めてもまた掘り返され、それが幾度か繰り返された後、犯人として逮捕されたのはケテヴァン(ゼイナブ・ボツヴァゼ)という一人の女性。裁判で彼女が語る、両親の物語。


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【映画】桃太郎 海の神兵


監督・脚本・演出/瀬尾光世 1945年作品 松竹 白黒 74分

叙情が戦意を昂揚する

 いいかげん、たまったビデオを整理しようとラベルのないテープを再生したら、いきなり荻昌弘が出た。びっくりした。土曜ロードショーの枠で「桃太郎 海の神兵」を放送したときのものだった。瀬尾光世と手塚治虫の座談会がついていた。すごいな。CMから推測すると八七年の放映。ううむ。ちなみに私は戦後五十年企画として映画館で観ている。

 さて、本編の方は、海軍省に委託され、後援を受けて制作されたアニメーション。冒頭に「メナド降下作戦に参加せる海軍落下傘部隊将士の談話による」とある。敗戦時に焼却されたと言われていたが、後にネガが発見され、八四年に再公開された。

 字幕が消えるといきなり富士山。のどかな山間の農村に、雉、犬、猿、熊の水兵たちが帰郷していく。あくまでも美しい田園風景。四人(匹?)はまず村の神社にそろって拝礼をすませ、それぞれの家に帰っていく。熊の家では年老いた両親が端午の節句の用意をし、犬の両親は畑仕事に精を出している。


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【映画】GAMA−−月桃の花

GAMA——月桃の花   
監督/大澤豊 1996年作品

 アオリ文句のひとつは「沖縄の”平和の礎”を映画化」だった。確かに「平和の礎」が大田=平和=県政の象徴だとするならば、その通りの映画であった。

 沖縄に一人の青年が降り立つ。沖縄生まれの母と米兵の父を持つジョージ(川口慈英)が、祖母・宮里房(玉木初枝)から自分のルーツを聞くためにアメリカからやってきたのだ。彼は偶然出会った糸数文子と二人、祖母を訪ねる。文子は「平和の礎」の刻銘のために聞き取り調査をしているのだが、房は自分の体験を語ろうとしなかった。

 物語は入れ子になっている。「平和の礎」をめぐる現在(一九九五年)の中に、房の語る沖縄戦の物語——パンフレットによると、以前より演劇としてあった「洞窟(ガマ)」——がすっぽりとはめこまれている。この二つの部分の違和感は、房役の玉木初枝(現在)から朝霧舞(過去)、もう一度玉木へ、という転換の際の演出的・技術的なものだけではない。現在を創る力のあやうさ、あやふやさである。

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【映画】スター・ウォーズ EP3 シスの復讐

スター・ウォーズ EP3 シスの復讐

ジョージ・ルーカス監督/2005年作品

まあ、つながってよかった

 エピソード2から三年。共和国と分離主義者の戦争は続き、ジェダイたちも各地で戦闘中。拉致された共和国議長(イアン・マクダーミド)の救出という任務に成功したアナキン(ヘイデン・クリステンセン)とオビ=ワン(ユアン・マクレガー)だが、ジェダイの掟を破って秘密裡に結婚したアナキンとパドメ(ナタリー・ポートマン)に子どもができた。パドメが出産で死ぬ夢を見たアナキンは、それが事実になるのを恐れる余り、ダークサイドの力を手に入れるため、ジェダイ評議会を裏切る。オビ=ワンからアナキンの裏切りを知らされたパドメは、アナキンの真意を糺しに惑星ムスタファーへ飛び立つが…。 

 最後の謎解きというほどの「意外な展開」はもちろんなく予定調和の話ではあるが、ルーカスは流石にうまい。ドラマが希薄な分、スピーディにアクションでぐいぐい見せていく。

 その希薄なドラマのテーマは「愛する人を守るために、どこまでのことが許されるのか?」。なにやら日本では「君は家族のために死ねるか?!」という映画ができるようなので、これはその具体的サンプルとして見るのも面白いだろう。「家族のために命をかける」というのは往々にして「家族のために他人を殺す」にほかならないのだから。

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【映画】スター・ウォーズ新たなる希望 特別編

スター・ウォーズ新たなる希望 特別編

ジョージ・ルーカス監督/1997年作品

SFXへの過渡期に拾った特殊効果のもうひとつの「効果」

 確かオリジナル版のパンフレットが家にあったはずだと探しながら、実は古本屋(しかもT書房)に出してしまっていたことを思い出した。慌てて店主に捜索願を出したもののもはや手遅れ。二十年というのはそういう歳月なのだなぁと……ちがうか。

 『スターウォーズ』日本公開(一九七八)当時、私は実に女子中学生であった。クラスはルーク派とハン・ソロ派にまっぷたつに割れた。私はオビ=ワン派で、その頃からフケセン・少数派だったわけだが、コーラの王冠の裏についていたキャラクター写真は、何本飲んでもタスケン・レイダーばかりで悲しかったものだ。その上、皆でむきになって買ったせいか、購買部のコーラ販売機は「体に悪い」という理由で撤去されてしまった。

 ともあれ、念のため簡単にストーリーを。

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【映画】ノー・マンズ・ランド

ノー・マンズ・ランド

ダニス・タノヴィッチ監督/2001年作品

ユーモアにあふれた絶望のコメディ

 反戦運動やっててつまんないな、と思うことのひとつは、以前笑えたシーンで笑えなくなったこと。例えば何年か前にリバイバルで「史上最大の作戦」を観にいったときなんか、空挺部隊が井戸なんかに墜ちるシーンで周りは笑いの渦なんだけど、笑うにはイタイのね、やっぱり。笑いをとるつもりで作ってるシーンなんだから笑えばいいんだけど、イタイのさ。
 ということを思い出しながら観た、ボスニア紛争の映画。

 濃霧に紛れて前線の部隊と交替するはずだったチキ(ブランコ・ジュリッチ)らボスニアの小隊。しかし夜が明けてみれば彼らがいたのはセビリア部隊の真っ正面だった。セビリアの一斉射撃にあい、なんとかチキ一人がセビリア部隊とボスニア部隊の中間地点にある塹壕に転げ込む。一方セビリア部隊からは、新兵のニノ(レネ・ビトラヤツ)と古参兵が偵察のため塹壕へ。古参兵は地雷をボスニア兵ツェラ(フィリプ・ショヴァゴヴィッチ)の死体の下にしかけるが、チキによって古参兵は射殺され、負傷したチキとニノが対峙する。銃の所持によってお互いに捕虜にされたりしたり。そしてツェラも息を吹き返すが、動けば地雷が爆発する。事態を把握した(?)両陣営はついに国連防護軍に出動を要請するが、いがみあう二人とツェラの下の地雷と事なかれ主義の上官になすすべもない。無線を聞きつけたジャーナリストたちは特ダネに群がる。しかし事態打開の兆しはみじんもみえない……。

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