フォト

最近のトラックバック

Amazon Search

無料ブログはココログ

戦争・紛争

【映画】踊れ、グローズヌイ!

踊れ、グローズヌイ!

監督 : ヨス・デ・プッター
2002年/オランダ/75分/カラー/ロシア語
製作 : ツェッパー・プロダクションズ+イコン
日本語版字幕製作 : アムネスティ・インターナショナル日本+東京シネマ新社


 とても美しい映画です。2002年製作なので状況的にはやや古いですし、ドキュメンタリーといっても「解説映画」ではなく、状況についてわかりやすいかというとそういうわけでもない。

 映画の冒頭に掲げられた「軽やかに美しく踊る者は、観る者と自分とを幸福にする」(←正確ではないかも)は、彼らの舞踊団がかつて使っていた稽古場に掲げられたレリーフのことば。これが全体のモチーフでもあります。舞踊団の子どもたちは、日本でいうと小学生から高校2年生くらいまで。これがまたみんな可愛いんだ。花嫁のような衣装の女の子たちも、民族衣装(風?)の男の子たちも。ついでに舞踊団の主催者アフマードフも渋いオヤジでモロ好み(笑)。

 かつて民族舞踊の有名なダンサーだったアフマードフは、引退後に自分の踊りを伝えるために子どもたちを集めて舞踊団を作る。それがチェチェン戦争で散り散りになってしまい(60人中20人が消息不明に)、稽古場も破壊される。それでもアフマードフはもう一度子どもたちを集めて舞踊団を再結成し、国内のみならずヨーロッパへもバスツアーを行う。

続きを読む "【映画】踊れ、グローズヌイ!" »

【映画】ノー・マンズ・ランド

ノー・マンズ・ランド

ダニス・タノヴィッチ監督/2001年作品

ユーモアにあふれた絶望のコメディ

 反戦運動やっててつまんないな、と思うことのひとつは、以前笑えたシーンで笑えなくなったこと。例えば何年か前にリバイバルで「史上最大の作戦」を観にいったときなんか、空挺部隊が井戸なんかに墜ちるシーンで周りは笑いの渦なんだけど、笑うにはイタイのね、やっぱり。笑いをとるつもりで作ってるシーンなんだから笑えばいいんだけど、イタイのさ。
 ということを思い出しながら観た、ボスニア紛争の映画。

 濃霧に紛れて前線の部隊と交替するはずだったチキ(ブランコ・ジュリッチ)らボスニアの小隊。しかし夜が明けてみれば彼らがいたのはセビリア部隊の真っ正面だった。セビリアの一斉射撃にあい、なんとかチキ一人がセビリア部隊とボスニア部隊の中間地点にある塹壕に転げ込む。一方セビリア部隊からは、新兵のニノ(レネ・ビトラヤツ)と古参兵が偵察のため塹壕へ。古参兵は地雷をボスニア兵ツェラ(フィリプ・ショヴァゴヴィッチ)の死体の下にしかけるが、チキによって古参兵は射殺され、負傷したチキとニノが対峙する。銃の所持によってお互いに捕虜にされたりしたり。そしてツェラも息を吹き返すが、動けば地雷が爆発する。事態を把握した(?)両陣営はついに国連防護軍に出動を要請するが、いがみあう二人とツェラの下の地雷と事なかれ主義の上官になすすべもない。無線を聞きつけたジャーナリストたちは特ダネに群がる。しかし事態打開の兆しはみじんもみえない……。

続きを読む "【映画】ノー・マンズ・ランド" »

【映画】英雄の条件

英雄の条件

ウィリアム・フリードキン監督/2000年作品/原題「Rules of Engagement」(交戦規程)

「国旗」ってやっぱり、「国そのもの」なのね……

 あの「プライベート・ライアン」を「反戦の叙事詩」とかって褒めあげちゃったうっかり者の秋山登をして「軍人精神賛美の試みに寒心」と言わせるくらい、気分の悪い映画ではあるが、その分本音がみえておもしろいともいえる。

 チルダーズ大佐(サミュエル・L・ジャクソン)率いる海兵隊の精鋭部隊がイエメンに向かう。反米デモに包囲されたアメリカ大使館から大使(ベン・キングズレー)家族を救出するためだ。無事一家を救出した大佐は、群衆にまぎれた「武装ゲリラ」の狙撃により部下に死傷者が出たことで、民衆への発砲を命じる。デモ隊の中の女性・子供を含め、死者八十三名、負傷者百数十名の惨事。国際世論の非難を浴びて、大佐は軍事法廷にかけられる。弁護してくれるのはベトナム戦争で生死を共にした戦友で、今は弁護士のホッジス大佐(トミー・リー・ジョーンズ)。チルダーズの発砲命令は海兵隊の交戦規則に違反するのか? アル中の「勝てない弁護士」は、チルダーズの処罰で世論をかわそうとする国家安全保障局に、戦友の無罪を立証すべく戦いを挑む……。


続きを読む "【映画】英雄の条件" »

【映画】ヒトラーの贋札

ヒトラーの贋札
ステファン・ルツォヴィッキー監督/2006年作品/原題「Die falscher」英題「The Counterfeiter」

 世界的な贋作師のサリーことソロヴィッチ(カール・マルコヴィクス)は、印刷工で共産主義者のブルガー(アウグスト・ディール)らとともにザクセンハウゼン強制収容所に移送され、そこでナチスによる贋札製造作戦=ベルンハルト作戦の主任となる。作戦責任者はかつてサリーを逮捕して少佐に昇進したSSのヘルツォーク(デーヴィト・シュトリーゾフ)。

 サリーらは強制収容所の中の秘密工場に隔離され、贋札の製造にあたる。だがドル札を刷るために必要な技術を持つブルガーは、ナチスに協力することはできないとしてサボタージュ。業を煮やしたヘルツォークは、期限までにできなければ五名を銃殺すると告げる。かたくなに「正義」を通そうとするブルガー、ブルガーを密告しようという者、それを許さないサリー。サリーと取引しようとするヘルツォーク。様々な思惑が交錯する中、連合軍が迫りつつあった。

ヒトラーの贋札 [DVD]DVDヒトラーの贋札 [DVD]

販売元:東宝
発売日:2008/07/11
Amazon.co.jpで詳細を確認する

続きを読む "【映画】ヒトラーの贋札" »

【映画】ブラックホーク・ダウン

ブラックホーク・ダウン
リドリー・スコット監督/2001年作品/原題「BLACK HAWK DOWN」(ブラックホーク墜落)

米兵、憎悪と出会う。

 このところ、戦争映画ばかしだ。このコラムもまた戦争映画になってしまった。
 さて、これは実際の作戦行動を題材に、ドキュメンタリータッチを目指した映画。

 一九九三年、ソマリア。アイディード将軍を排除すべく、米軍は将軍の側近の拉致作戦を繰り返す。十月三日、アイディード派幹部集会を狙い、側近を拉致する作戦を開始。陸軍特殊部隊レンジャーとデルタは首尾良く捕虜を車両部隊に収容するが、民兵と激しく交戦。戦闘ヘリ・ブラックホークがロケットランチャー弾を受けて撃墜される。乗員を救助すべく、墜落地点に集結しようとする陸上部隊は激しい市街戦の中で負傷者を増やしていく。車両部隊はバリケードと砲撃の中で迷走を続け、そうこうするうちに二機目のブラックホーク撃墜。車両部隊は合流を断念、基地に帰還する。残された九九名の陸上部隊の前にパキスタン軍戦車、マレーシア軍装甲車を含む救援部隊が到着したのは翌午前一時五五分、一時間で終わるはずの作戦は十五時間に及んだ。この戦闘で米側死者十九名、負傷者七三名。ソマリア側死者は未確認ながら千名を超えると見られている。

 映画の主軸となるのはレンジャーの班長の一人、エヴァーズマン(ジョシュ・ハートネット)と彼の班の隊員でデスク要員だったグライムズ(ユアン・マクレガー)、ブラックホークの操縦士で墜落後捕虜となるデュラント(ロン・エルダード)。とはいえ登場人物が多くて見分けるのが大変だ。

ブラックホーク・ダウン スペシャル・エクステンデッド・カット(完全版) [DVD]DVDブラックホーク・ダウン スペシャル・エクステンデッド・カット(完全版) [DVD]

販売元:ポニーキャニオン
発売日:2006/12/22
Amazon.co.jpで詳細を確認する

続きを読む "【映画】ブラックホーク・ダウン" »

【映画】メランコリア 三つの部屋

メランコリア 三つの部屋

ビルヨ・ホンカサロ監督/カラー/104分/2004年度作品/フィンランド・ドイツ・デンマーク・スウェーデン映画/原題「The 3 Rooms of Melancholia」

隣り合った三つの部屋をつなぐ道

 チェチェン紛争をめぐる、子どもたちを映し出したドキュメンタリー。「三つの部屋」とタイトルにある通り、三つの場面に別れており、一つ一つの「部屋」にタイトルが付いている。しかし、これはチェチェン問題を読み解くための映画では、必ずしもない。一定程度の知識がなければ、何のことかわからないシーンも多い。静かな音楽、最小限の説明と最小限の音。映像詩とでもいった方がよいような静けさの中で、淡々と日常が過ぎていくだけである。部屋が三つならんでいることの意味を読み取るためには、想像力が必要になる。

 一つ目の部屋。サンクトペテルブルクの沖合に浮かぶ、コトリン島のクロンシュタット。バルチック艦隊の基地でもあるそこには士官学校がある。映画に登場するのは十歳から十二歳の少年たち。職業軍人の祖父の希望で入学した少年。親戚の間をたらい回しにされた末にやってきた少年。母子家庭で、母も軍人としてチェチェンに赴任したためにやってきた少年。そしてチェチェンに駐留していた父を失った、グロズヌイ生まれのロシア人の少年。多くの少年が「保護者の不在」「居場所の確保」のために、この学校へやってきている。それは貧困や奨学金のために「志願兵」となる青年たちと、同じ構造だ。

 海を渡った対岸では、やはり同じ年ごろの子どもたちが名門のバレエ学校や音楽学校で学んでいる。かつてニジンスキーが貧困のために名門ワガノワ・バレエ・アカデミーに入学したことは有名だが(寄宿舎も授業料も無料だった)、この少年たちが学んでいるのは敬礼の作法であり、行進の仕方であり、銃の撃ち方だ。行き着く先は世界のひのき舞台ではなく、戦場そのものである。

続きを読む "【映画】メランコリア 三つの部屋" »

【映画】プロミス

プロミス

ジャスティーン・シャピロ、B.Z.ゴールドバーグ監督・プロデューサー/カルロス・ボラド共同監督/カラー/104分/2001年度作品/アメリカ映画/原題「PROMISES」

何を彼らに約束できるだろう?

 イスラエルとパレスチナの七人の子どもにインタビューしたドキュメンタリー映画である。七人の子どもは、西エルサレムに住むユダヤ人の双子ヤルコとダニエル、東エルサレムに住むアラブ人マハムード、エルサレム旧市街に住む正当派ユダヤ教徒シュロモ、デヘイシャ難民キャンプのファラジとサナベル、そしてベイト・エル入植地に住むモイセ。インタビュアーのゴールドバーグ監督は、ボストン生まれエルサレム育ちのユダヤ人、シャピロ監督はバークレー育ちのユダヤ人、ボラド共同監督はメキシコ人だ。そして「比較的平穏な一九九七〜二○○○年」(映画字幕)、すなわち「第二次インティファーダ」直前までに撮影されている。「比較的平穏な」時期。切ないことばだ。

 映画は七人をとりまく日常を描きながら、アラブ人・ユダヤ人についてのそれぞれの考えや感情を明らかにしていく。観客である私たちがみるのは、それぞれがお互いに対して与えられたイメージの中でしか考えず(もちろん彼らなりの具体的な根拠のあるイメージなのだが)、それ故にむしろお互いに似通ったイメージを抱いている不思議さである。つまり「アラブ人はみんな、」そして「ユダヤ人はみんな、」土地を不当に奪おうとしている、僕たち全部を殺そうとしている、あいつらみんなやっつけてやりたい……。その中を奇妙な媒介者としてユダヤ人であるゴールドバーグ監督が往復していく。幾人かの子どもたちにとって、この映画はその往復運動による「お互いの発見」の過程でもある。

プロミス [DVD]DVDプロミス [DVD]

販売元:アップリンク
発売日:2003/01/31
Amazon.co.jpで詳細を確認する


続きを読む "【映画】プロミス" »

【映画】パール・ハーバー

パール・ハーバー
マイケル・ベイ監督/2001年作品

リベンジせずにはいられない人々の群

 米陸軍航空隊のレイフ(ベン・アフレック)とダニー(ジョシュ・ハートネット)は兄弟同然に育った幼なじみ。健康診断でレイフは看護婦・イヴリン(ケイト・ベッキンセール)に一目惚れする。強引に口説き落としてまずはハッピーな日々。しかし、レイフが志願していたイギリス空軍への参加が認められ、レイフは一人イギリスへ。ダニーたちの隊もイヴリンたち看護婦も、オアフ島へ移動となる。しかしダニーたちに届いたのは、レイフの戦死の知らせだった。お互いを慰めあっているうちに、いつしかいいムードになっていくダニーとイヴリン。

 ところが! そこへ帰ってきたのが死んだはずだよレイフ君。いやあ、困った。二人で一晩殴り合って、明け方の空に見たものは、空を埋め尽くすかのように飛来する日本軍のゼロ・ファイターなのだ!

 飛んで帰った二人は仲間の援護で果敢に応戦。しかしほとんど為す術もないままに、真珠湾は壊滅状態になるのだった。

 しかあし! ここで映画は終わらない。三人とも無事だったところで、三角関係はどうすんじゃいと思いきや、ダニーとレイフはドゥーリトル隊長の元、極秘任務に入る。なんと東京爆撃作戦じゃあ! レイフとダニーは空襲に成功したものの、中国(?)に不時着。日本兵に襲われてダニーは戦死。今度こそ恋人の死体を確認したイヴリンは、レイフと二人、ダニーの息子を育てるのであった。

 いやあ、長い。3時間である。あらすじだけで二枚近くかかっちゃった。で、感想。

パール・ハーバー 特別版 [DVD]DVDパール・ハーバー 特別版 [DVD]

販売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
発売日:2006/01/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する


続きを読む "【映画】パール・ハーバー" »

【映画】シャーロット・グレイ

シャーロット・グレイ
ジリアン・アームストロング監督/ビスタ・ビジョン/カラー/121分/2001年度作品/フィルムフォー提供/原題「Charlotte Gray」

抵抗するためにできることはきっとある

 一九四三年、イギリス。列車の中で「原書でスタンダール」を読んでいた看護婦のシャーロット(ケイト・ブランシェット)は、その語学力を買われてフランスのレジスタンス運動への協力者としてスカウトされた。恋人のパイロット、ピーター(ルパート・ペンリー=ジョーンズ)がフランス上空で行方不明になったとの知らせをきっかけに、シャーロットは諜報員ドミニクとしてフランスへ入る。そこで待っていたのは共産主義者のオクターブことジュリアン(ビリー・クラダップ)だった。最初の連絡員との接触に失敗したシャーロットはジュリアンの父(マイケル・ガンボン)の家で、ジュリアンが匿う二人の幼いユダヤ人兄弟の世話をしながら活動を続ける。しかし、情報が漏れ、レジスタンスは壊滅。街の有力者である教師がユダヤ人を匿っている父を告発する。父と子どもたちを連行され、絶望的な状況の中で、教師を射殺したジュリアンは、シャーロットに一緒に国外に脱出しよう、と言う。シャーロットは拒否して言う。まだ成すべきことがある、と。

シャーロット・グレイ【ユニバーサル・セレクション1,500円キャンペーン2009WAVE.1】 [DVD]DVDシャーロット・グレイ【ユニバーサル・セレクション1,500円キャンペーン2009WAVE.1】 [DVD]

販売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
発売日:2009/01/22
Amazon.co.jpで詳細を確認する

続きを読む "【映画】シャーロット・グレイ" »

【映画】ドレスデン、運命の日

ドレスデン、運命の日

ローランド・ズゾ・リヒター監督/2006年度作品/ドイツ映画/原題「Dresden」

 ドイツ東国境の街、ドレスデン。その病院で看護師として働くアンナ(フェリシタス・ヴォール)と外科医のアレクサンダー(ベンヤミン・サドラー)は、院長であるアンナの父も認めた恋人同士。一方、ドイツ爆撃に参加した英空軍のロバート(ジョン・ライト)はドイツ空軍に撃墜されパラシュートで脱出、腹を拳銃で撃たれながらも山に逃れる。なんとかドレスデンまでたどり着いたロバートは、混雑に紛れてアンナの病院の地下室に隠れることに成功するが、アンナに見つかって手当てを受ける。

 アレクサンダーはアンナの父から、不正に貯めた医薬品を取引材料に国外脱出すると打ち明けられ、反発するものの従わざるを得ない。アレクサンダーのいらついた態度に、アンナはロバートに接近していく。ロバートから父の不正を知らされたアンナは、ロバートと逃げることを決意するが失敗。国外脱出のために家族と駅で電車を待っているその時、イギリス軍によるドレスデン空襲が始まる……。

 戦後六〇年以上を経て初めて制作されたドイツ空襲の映画。確かにこの映画が制作されたのは「機が熟した」からなのだろうと、見終わってから感じられた。

ドレスデン-運命の日- [DVD]DVDドレスデン-運命の日- [DVD]

販売元:ビデオメーカー
発売日:2007/11/02
Amazon.co.jpで詳細を確認する

続きを読む "【映画】ドレスデン、運命の日" »

より以前の記事一覧